運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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リアシャカ5

リアシャカ(笑)不定期連載5話目です。
決して日記のネタに困った時に出没してるわけじゃないですよ(笑)。まぁ自己満足以外の何ものでもないんですが、意外に楽しいんですよね。サイトの方ではFF12のバシュバルSSをUPしておりま?す。

前回の話はこちらへ→ 「月の雫1 」、「月の雫2 」、「月の雫3 」、「月の雫4

続きは↓でどうぞ。



月の雫:5


小宇宙を極限まで高めていくと張り詰めた糸の様な緊張感が幾重にも張り巡らされていく。僅かの変化で、小さな小石が転がる音でさえ崩れそうな均衡の中で二人は対峙していた。

強大な小宇宙を持つ者同士の戦いは一瞬の隙が勝敗を分ける。隙を窺いつつ最大限の技を相手に叩き込み一撃で勝負をつけるのでなければ、それは終わりなき闘争へと流れ込んでしまう。
下手な先手は不利になる。そんなことは最初から承知していたが、その煩わしいほどの緊迫感と苛立たしいほどの均衡を維持し続けるにはアイオリアの精神は怒りに満ち過ぎていた。

最初に動いたのはアイオリアだった。

高めた小宇宙から繰り出す必殺技ではなく、小宇宙により十分に威力とスピードを増した拳を叩き込む。派手な技を使えばさすがに人の少ないサンクチュアリとはいえすぐに人が駆けつけてしまう。途中で誰かに邪魔をさせるつもりなどなかった。

拳圧だけで相手を吹き飛ばせそうなほどの力を纏った拳だったが、相手はそよ風を浴びたかのようにゆったりと力を受け流す。金の髪が風圧で激しく巻き上げられたが、表情も動きにも慌てた様子も浮かんでいない。

続け様に拳を繰り出すがそのどれもを柳の葉が風を受け流すがごとく、まるで手ごたえを感じさせずに力を逸らし躱していく。正面に放った拳も、大きく薙ぎ払った手刀も、重なるようにはなった連撃も、幻と戦っているかのように相手を捉えることができない。

相手はその瞳を閉じたままだというのに、アイオリアの拳を余裕を持って全て受け流してしまっている。

「愚弄するかっ!」

全ての攻撃を躱しながら攻撃に転じてこない相手に苛立ちをつのらせる。良いようにあしらわれている感覚に小宇宙は上限を知らない昂りをみせる。

さらに激しく連撃を重ねながら、腰をひねり渾身の力をこめた蹴りを繰り出す。その瞬間そこに宿っていたのは、相手を倒すという感覚ではなく相手を「殺す」という感覚だったかもしれない。それほどまでにその攻撃は強烈な意思を宿した渾身の一撃だった。

動くことのなかった相手の表情が僅かに動いた。

アイオリアの殺気に反応したかのようにピクリと表情が動くと相手は攻撃を受け流していた手ごたえのない感覚を一変させ、僅かに拳を構える姿勢を見せた。

―――面白い!

明らかに体格の劣っている相手が自分の渾身の攻撃に対して、攻撃から逃げるのではなく対抗する姿勢を見せたことにアイオリアは心の中で叫んだ。アイオリアが黄金の獅子と呼ばれるのはもちろん黄金聖衣を纏っているからでもあるが、その攻撃がまさに獅子の牙のごとき全てを粉砕する威力を有しているからでもあるのだ。

防御すら叩き潰して相手を砕く牙を正面から受けようとするものなどサンクチュアリ広しといえどいない。師である兄ですらアイオリアの渾身の一撃を正面から受けようとすることはほとんどなかったほどなのだから。

威力を緩めることなく相手の急所めがけて攻撃を繰り出す。
まさしく敵を粉砕し滅するためだけの一撃。だが、

「―――甘いな」
「何っ!!!」

相手の腕を砕き身体を吹き飛ばすはずの一撃は、相手の身体に触れる寸前でぴたりと止められていた。

印を結ぶように身体の前で構えられた相手の手の中の小宇宙が、アイオリアの足に触れることなくその攻撃を受け止めていたのだ。強烈な一撃を顔色一つ変化させず、僅かな立ち位置すらずらすことなく、無表情のまま静かに受け止めていた。

「そよ風に舞う枯葉のようだな」
「何だとっ!」
「これが獅子の牙とは―――よほど柔らかい肉しか食してなかったとみえる」
「くっ!」

第二撃を叩き込みながら、アイオリアは距離をとった。

確かに相手は言葉どおり少しも堪えた風はなかった。まさしく風と戯れていたがごとく、柔らかい笑みと静かな佇まいを崩してはいない。アイオリアの殺気に反応したあの一瞬の表情の変化を覗けば、相対した時からまったく変わらない姿。

コツリ、と相手は一歩アイオリアへと歩を進める。
無意識に後退しそうになった自分に舌打ちしながらも、アイオリアは敵意を隠さない瞳で相手を睨みつけるだけだった。


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