運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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チクリと痛い

そんなキスをください

ぺよんで堂主
えろシーンを書こうと思ったけど流れをまるっと忘れた残骸
色々詰め込もうとして何も詰め込めなかった
結局ただくっついてるだけになった、そんな話


 
 それは別に性急な動きだったわけでも乱暴な行動だったわけでもない。
 避ける時間はきっと十分過ぎるほどにあったはずだ。
 ソファの上で新聞を読みながら、お湯を多めに沸かしておいてくれるかと声をかけてきた堂島さんの動きは、普段と何ら変わりがなかった。横に置かれたままだった上着を手にとって、クリーニングに出しますかと問いかければ、あぁ頼むと顔を上げないまま答えが返ってくるのもいつも通りだった。
 違ったのは足を踏み出してから。
 堂島さんの前を横切ろうとしたその瞬間。
「――――えっ」
 何が起こったのか、というのを理解するに動きが止まってから十秒ほど必要だった。
 手首に感じた温もり。引き寄せられた腕。傾いた視界。全身を覆った浮遊感。悠、と囁く声。
 後ろへと倒れる。そう身構えて、衝撃を覚悟して力を込めた。だが倒れていく背中が床に打ち付けられることなく、手首をつかむものと同じ温もりに支えられてそっと床に降ろされた。
 そして仰向けになった顔にかかる、影。
 自分を見下ろしている少し髭の伸びた精悍な、顔。
「叔父、さ――……」
 呼びかけは最後まで口にできなかった。
 開きかけた唇がふさがれたのだ。温かく、けれど少しかさついてチクチクとする唇に。堂島さんの唇に。
「う…んんっ――」
 唇を甘噛みするように噛まれた。上唇を噛まれ舌が歯茎を舐めるように柔らかくなでてくる。啄むように中央から端へと移動していき、次は下唇を同じように噛まれた。痛くはないけれども痺れるような感覚。塞がれている訳でもないのに呼吸が上手くできなる。
 ようやく離れた唇に、詰めていた息を吐き出して深呼吸すれば、息を吸い込んだところでまた唇が触れてくる。
 ごつい指先が頬に触れて顔の角度を変えられると、ざらりとした舌が歯の隙間をこじ開けるようにして侵入してきた。舌と舌が絡められて唾液と熱が交わる。不規則になる呼吸が、喉の奥でヒューヒューと情けない音を奏でていた。
「――悠」
 真剣な眼差しで縫いとめられ、低い声で追い打ちを掛けられれば、見つめ返すしかできなくなる。
 武骨な指先が頬から耳元へ、そして首筋へとそっと動いていく。筋に沿うように移動していた親指は鎖骨のやや上ぐらいの位置に来るとぴたりと止まり、円を描くように撫でた。
「この傷、どうした?」
「えっ……」
「こんなところに切り傷、普通では付かないだろ」
 探るような声に体が固まる。
 普段は服で隠れている場所だったので気づかなかった。だが思い当たることはある。今日の探索時にシャドウの一閃を完全に避けきれず喰らったあの時のものだろう。一応回復をかけたのだが、細かな傷まで消せていなかったらしい。
 言い訳が思いつかずに口ごもる。もっとも、どんな言い訳もこの叔父の前では無意味になる自覚はあるので、結果は同じだっただろう。
「――危ないことには首を突っ込むな。俺はそういったはずだ」
「……はい」
「それも何回も」
「すみません」
「謝るということは心当たりがあるということだな」
 否定も肯定もできずに見上げれば、さらに詰問されるだろうと思った言葉はやってこず、深いため息をつかれてしまった。こちらに向けられている瞳には怒りの成分はなくて、押し殺した表情に浮かぶのは悠の身を案じる気配だけだ。
 傷跡に添えられていた指先が離れると、代わりそこを舐められた。
 驚いて身を引こうとしたが両手は肩を抑えるように悠を抱きしめてきてそれは叶わなかった。
 見えなくても生温かな舌が傷口をなぞるように舐めていく動きがわかる。頬や顎のひげが首筋に触れて、少しくすぐったくて少しチクチクと痛くて、けれど心地良い。
「お前のことだ。悪いことに手を出してるとは思っていないが、無茶はしてくれるな」
 傷口を舐められながら呟かれた声は鼓膜を震わせつつ肌からも直接染み込んでくるようで、ぞわりと生温かいものが体の中に生まれる。何度も何度も触れられる傷口に痛みはないけれども、眩暈がするような熱さと痺れが全身に伝播していくようだった。
 別の所にも触れて欲しい。
 はしたなく強請ってしまいそうな言葉は必死に呑み込んだ。
「叔、父さん……。すみませ――」
「……すまんな」
「え?」
「高校生相手に口を出し過ぎなんだろうな。その自覚はあるんだがな。どうにも、俺はお前との距離を測りかねているらしい」
 啄むように傷口にもう一度唇が触れて、離れた。
 叔父さんと、口にする前に唇に唇が触れた。
 じっと見上げる瞳の瞼にそっと、唇が触れた。
 肩に添えられていた手が前髪を持ち上げ、額に唇が触れた。何度か啄むように触れた唇は、ちゅっと肌を吸うように息を吸い込み、チクッとした小さな痛みの後に離れた。
 その場所を指先が触れてきた。
 もしかしたら痕がついているのかもしれない。珍しい。
 堂島のキスはいつも物足りないぐらいに優しくて、決して痕が残るようなことはしてくれないのだ。触れてくる手や抱きしめる腕も、必要以上に労わるような優しさで、感触を残してくれないほどそっとしか触れてくれないのが常だ。
 それが今、チクッとした痛みがあった。
 痕を残すためのようなキスだった。
 瞬きしながら見上げた視界の先で、困ったように笑う表情は照れを隠しきれていなくて、酷く愛しい。
「お前が無事なら、いい」
「……はい」
 手を伸ばして恐る恐る背中へと手を回せば子ども扱いしたようにくすりと笑われてしまったけれども、皺を刻むようにギュッとシャツを握りこめば、優しい瞳に雄の色を滲ませながら強く抱きしめ返された。


堂島さんが堂島さんじゃないけど軌道修正できなかった
堂島さんは成人するまで悠くんを傷物にしちゃダメだって思ってる、はず

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