運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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さぁ帰りましょう

書きたいところだけ書きすぎて何かよくわからないSS
という訳でP4で足主です
足主というか足立くんと番長、って感じですけど。

ノーマルEND以上のネタバレ
心の広さがオカン級の人だけどうぞ


 
 赤く淀んだ空が、この人らしいと思った。
 澄んだ青空でないのはもちろんだとしても、押し込めるような曇りでもなければ嫌いだと言っていた雨でもなく、少しだけましだと口にしたことのある夕焼けでもなければ全てを覆い尽くしてくれるから好きだと言っていた霧の立ち込めた空でもない。この世界の中で一度も見たことのない、とても非現実的な景色をそのまま切り取った、そのくせ何かを訴えてくるような目に痛いほどの毒々しいまでの赤。
 血の赤だと思った。それも傷を受けた直後に流れる鮮血ではなくて、深い傷を負って地面にできた時間のたった血だまりのような、一日たった服にまだ残っている汚れた血のような、もう温かくもなくてこびり付いて拭うのが難しい黒ずんだ赤だ。
 鬱屈したものをすべて抱え込んだような赤は世界に悪意をばらまいているようにも、世界の悪意から必死に自分を守ろうとしているようにも見える。 毒をもった生物は見た目も毒々しい警戒色をしているものだ。
「あははっ、やっぱり来たんだ。クソくだらない正義感ってやつかい?」
 吐き出されたのは悪意だけを詰め込まれた言葉の形をした弾丸。
 でもその弾丸は鋭くはじき出されるものの脆くて、心臓にちくりと小さな痛みを残しはしても、この身を貫くような威力はなかった。
 揶揄するように持ち上がった唇、嫌悪を浮かべる眼差し、拒絶をまき散らす気配、偽悪的に歪められた表情。この世界はクソでくだらなくて価値など何もないと言いながら、その世界の中での居場所すら見つけられなかった自分に苛立ち彷徨っているように見えてしまう。そんなことを口にしたら、きっと弾かれたような高笑いと共に饒舌に否定してくるのだろうけれども。
「足立、さん……」
「で? 他のお仲間はどうしたの? その辺を探し回っていた時には一緒にいたろう?」
「今は俺一人です」
「へー? 何? もしかして仲間は危険な目にあわせたくないとか、僕ぐらいなら一人でも十分とか、そんなヒーローっぽいこと言いたいの?」
「違います」
 足立から放たれる言葉の防御壁を身に感じながらまっすぐと見据える。
 皆を危険な目に合わせたくないというのはリーダーを任された時から思っているが、だからといって自分一人で全て何とかする、と考えるほどには皆を信用していないわけではなかった。実際一人ではここまでたどり着くことは不可能だっただろう。自分の力が皆よりも強いことは理解しているが、一人の力で何もかもできると思えるほど自分に自信があるわけではない。それこそ、ヒーローのように正義は勝つのだと、言い放つことは自分にはできなかった。
 それは絶対的な正義などないという意味でもそうだし、正義が勝つのではなく買ったものが正義なのだという、足立いわくのクソみたいな世の中のルールを自分が理解している故でもあった。 このいくつも纏い変えることができるペルソナが示すように、自分は子供みたいに物事を信じられるほど純粋ではない。
「俺はあまりヒーローものに憧れたことはありませんよ。――足立さんみたいに」
 世の中がクソだと唾棄するのは、世の中がクソだと信じたくない反動だ。
 正義なんてクソ食らえと吐き捨てるのは、世の中が正義を順守して欲しい反動だ。
 この世界が霧に包まれて、現実もテレビの中も何もかもぐちゃぐちゃになってしまえばいいと叫ぶのは、きっとこのテレビの世界から抜け出したいと願っているからだ。抜け出せないほど絡み取られたテレビの世界から、救って欲しいと思っているのだ。
 もちろんそれは自分の勝手な思い込みかもしれないけれど。
 それでも立ち入り禁止を主張する黄色いテープが、伸ばそうにも伸ばせない足立の手のように見えて仕方ないのだ。だからたとえ嫌がられたとしても、自分はどうやってもその手をつかんで引っ張り出してやりたい。
 別に正義感や使命感故ではない。ただ自分がそうしたいだけだ。
 お前は意外に姉貴に似て強情だな、と笑い交じりに言われた叔父の言葉を思い出した。
 そうだ。自分は譲らないと決めたことは決して譲らない。だから今日は、ここでは、絶対に引くわけにはいかない。
「それって余裕? あぁ、そうやって僕を苛立たせたいわけ?」
「そんなつもりはありません。俺はただ足立さんに笑っていて欲しいって思ってるだけですから」
「はぁ? 君もしかしてバカなの? 全部作りものだってわかってる? 今まで君に見せてきたのもぜーんぶ演技なんだよ。嘘だよ。僕は君と話すのなんかうんざりだし顔を見るのもイライラするんだよ」
「それでも……。人の良さそうな表情で壁を作っていたことも、にっこりと笑いながら冷たい眼差しをしていたこともわかってます。それでも今みたいに偽悪的な表情よりはいいです」
 さぼり癖があって人のいいマヌケな刑事。
 最初はそう思っていた。たぶん皆は今もどこかそう思っている。
 だがいつだっただろうか、気づいてしまった。皆でいるのが楽しいと、この町が好きだとそう口にした鳴上に向けた足立の、失望したような絶望したような一瞬の冷たい空気。さぼってるのを堂島さんに告げ口しないでよと、情けなくお願いしてくる表情が酷く仮面めいて見えたこと。けれど堂島さんの事故と菜々子の誘拐に苛立ちを見せたこと。
 たぶん彼はそれほど巧みに隠していたわけではない。最初の人のいい仮面を上手く使って、見たいものを見せていただけなのだ。
「……はぁ。あのね、何を期待してるか知らないし、偽悪的とかいかにも僕のことわかってますみたいなこと言われてもさ、これが僕の本心なの。何かもぐちゃぐちゃになった稲羽市。ド田舎のクソみたいな町は潰れちゃえばいいと思ってるの。わかる?」
 天を仰いで両手を広げて見せる。
 それはやはりテレビの中の悪役そのものの動きだった。
「わかってますよ。それでも――それでも足立さんがこの町から出ようとしていないことは」
 作り出したのは他のどこでもない、この稲羽市。
 大嫌いだと、消えちゃえばいいのにと言いながら、この町の中に蹲っている。
「! ――っとに、クソ生意気なガキだなぁ」
「俺は足立さんのこと嫌いじゃないですよ」
「はいはい。騙されてたって信じたくないもんね」
「騙されてても、嘘の仮面でもいいんです。足立さんには笑っていて欲しい」
「…………」
「一人で泣いて欲しくないんです」
 やり切れない感情がいっぱい詰まって飽和状態のこの禍津稲羽市。
 少しのバランスが崩れただけで泣き出してしまいそうな空だと思う。それとも降り注ぐ雨を待っているのだろうか。そうすれば泣いてもわからないから。
 だがそう考えて違うな、と自分で打ち消す。
 プライドの高い足立だからきっと、誰に見咎められなくても自分がなくことを自分に許したりはしない。泣いてしまえれば少しは楽になるのに。泣けたのなら取り返しのつかなる前にどうにかなったのかもしれないのに。
「何それ。泣くわけないじゃん。そんなの夢見がちなガキの妄想だよ。もう鬱陶しいから消えちゃってよ」
「すみません。俺は足立さんを連れて帰らなければならないので、そのお願いは聞けません」
「お願いじゃなくて強制だよ」
「あともう一度すみませんって言っておきます。この流れだと力づくになりそうですし、手加減できそうにないので」
「――生意気なガキだよ、本当に」
 忌々しそうに響いた舌うちに、足立さんも十分ガキっぽいですよと笑顔で嫌味を返して刀を構えると、青く光るカードを握りつぶしてペルソナを召喚する。
「さぁ全力でいきましょうか足立さん。大丈夫ですよ。無理やり引きずられて仕方なくっていう言い訳を存分に使わせてあげますから」
「――ったく、そういうクソ生意気なところが本当に嫌いだよ」


番長がマガツに足立くんを迎えに行くの巻。
本当は足主のバトルを書きたかったんだけど到達する前に力尽きた。
ちょっと戦闘モーション確認して続きを書きたい。俺得にしかならないけど。

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