運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | TOP↑

≫ EDIT

何を守るのか

また更新が滞ってるのはうっかりP4で足主に嵌ったからです。
まさか足立さんに恋してしまう日がこようとは。
好み過ぎてヤバイ。足主がヤバイ。
受けに救いを求める攻めって本当に好みだよ!!!

と叫びつつ続きはP3で荒主です。
前々回のSS(戦い)の続きです。
書いているうちに最初に書こうとした意図が行方不明になりました。
よくあることですよ、ね?


 
「一人なら皆に被害が及ばない」
「……」
「誰かが残っていれば全滅は防げますし」
 淡々と。本当に淡々と原稿を読み上げるような口調。
 これがもっと投げやりだとか、皮肉だとか、自虐的な響きを帯びていたならば勝手にしろと放り出せていたかもしれない。そんな生き方を認める気はないが、それでも自分がそう選ぶのだというのならば荒垣が口を出すようなことではないし、軌道修正してやる時間もない。
 だが目の前のこいつは違う。本当にそれ以外の回答を持ち合わせていないというか、それ以外の解が存在する可能性にすら気づいていないような口ぶりだ。元から少しずれた感覚というか、恐怖心の少ない奴だとは感じていたが、これはもはやそんなレベルではなかった。
 人としての当たり前の本能が、すっぽりと抜け落ちているようだ。
「それで、てめぇはどうする」
「僕……ですか?」
「死んだらどうする」
「あの辺りのシャドウでしたら、回復不能な状況に陥る可能性はほとんどありませんよ」
「瀕死に陥るぐらいなら問題ねぇって口調だな」
「? 回復してくれないんですか?」
 その言い方は誰かが回復してくれると信頼している、ととってやるべきなのだろうか。
 逡巡して、だがそれは違うのだろうなと溜息をついた。
 助けてくれると信頼しているから危険を顧みないと言っているのではない。ただの可能性というか、状況としてそうするだろうという推測にすぎないだろう。青信号になったら横断歩道を渡りますよね、というのと何ら変わりがない。それでもし誰の助けなければ、信号が青でも渡らないこともあるんですねと、その程度の感覚で受け入れてしまいそうな勢いだ。
「……もしそれが他の奴だったらどうするんだ」
「回復しますけど?」
「違う。突っ込んで行ったのがお前じゃなくて伊織とか真田とかだったらどうするんだ」
「順平は一度ありましたね、そういうこと。ってか真田さんもわりと帰還優先の時もシャドウとの戦闘を避けない傾向にありますし」
 そう言いながら僅かに首を傾けながら伏し目がちになる。
 まるでそこで話が終わったように無言になるが、その感情のまったく読めない表情がこいつの考えごとをしている時のくせだと、短い付き合いながらも気づいていたので黙って続きを待つ。
 基本的にあまり何事も表情に出ないようだが、決してわかりにくいタイプではないかもしれないと思った。寧ろ決まった行動をなぞるようで、一度気づいてしまえばこれ以上わかりやすいこともないのではないかと思える。ただし、その感触が正解かどうかを測る術はないので、もどかしい感覚は拭えないのだが。
「取り敢えずマカラカーンを掛けつつ追いかけます」
「俺が言ってるのはそういうことじゃねぇ」
「……そう、ですよね」
「!」
 小さい笑みが見えて思わず立ち止った。
 それはもしかしたら初めて見た、心底楽しそうに笑った顔だったかもしれない。表情自身の変化は微々たるものだったが。
「――何で笑うんだよ」
「あぁ、すみません。順平も真田さんも、そういう行動しそうだなって思ったら、つい」
「笑うところじゃねぇだろ」
「はい。でも大丈夫ですよ」
 何がだと問う前に、大丈夫ですからともう一度繰り返された。
「荒垣先輩の心配を解消するために、これからは単独戦闘にならないように皆の動きにもう少し気を配ります。……という解決策でどうでしょうか」
 俺が心配しているかどうかじゃなくてお前自身の身の安全のためだろうが。
 そう怒鳴ってやりたかったが、必死に出した答えの採点を不安げに待っている子供のような視線に、言葉は呑み込んで頭をげしげしと掻いた。冗談とか言い訳とかではなくて、それがこいつなりに精いっぱい出した答えだというのはわかる。きっと、そういう基準でしか判断できないのだ。判断する材料が、こいつの中にないのだ。
 リーダーとしてとても優秀だ、と桐条は評価していた。それはある意味では正当な評価だが、別の側面では酷く的外れなものだ。確かにリーダーとして仲間を危険にさらさない、という意味では誰よりも適切な判断をするだろう。そこに自分自身が含まれていない事を除けば。
 本当なら誰かがそれを指摘してやるかフォローに回ってやるべきなのに、リーダーという立場にいる限りこいつの行動に落ち度はなく、だからこそ誰もその危うさに気づいていないのだ。こいつ自身も、誰かから守られなければならないことがあるということを、誰も意識していないのだ。
「てめぇだけに言っても仕方ねぇ、か」
「?」
「まぁいい。そのかわり、今言ったことは俺がいなくても守れよ」
「荒垣先輩が出撃していなくても、ということですか」
「……あぁ。見られてねぇと守らねぇってのは気にいらねぇからな」
「わかりました」
 素直に頷かれた。きっとこれ以上念を押さなくても、こいつは守るだろう。それがリーダーとしての役目だと思っているはずだから。
 今はまだそれでいい。本当の意味などわからなくても。きっと自分ではない誰かがこいつに本当の意味を気づかせてくれるはずだ。じっくりと時間をかけなければこいつの心の奥まで届かないであろう意味を本当に教えるのは、もう残された時間の少ない荒垣ではなくて、こいつの周りにいる誰かに託すしかない。
 もしだれも気付かせられないのだとしたら、可哀そうだがそれまでということなのだろう。誰にとって一番の悲劇なのかはわからないが。
「……ラーメンでも、食って帰るか」
「夜中の食事は健康に悪い、って言わないんですか」
「たまにはいいだろ」
「はい」
 出来れば少しでも早くこいつが気づける日が来ることを。
 柄でもないけれど少しだけ、信じてもいない神様とやらに祈ってやりたくなった。

| ペルソナ | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。