運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | TOP↑

≫ EDIT

習作

なんかちょっと息抜き。
ってか今更ながらにちょっとだけ投下の習作。

P3P主人公視点のCPにならない日常話。
あえていうなら順主と言えなくもない。
ちなみにゲームはまだクリアしてません。選択はした。


 
 世界に、色なんてなかった。
 世界に、音もなかった。
 この手に抱きしめていなければならないものなど、考えもしなかった。

「お前っていっつもそーだよな」
 何が気に入らないのかやや突っかかるような口調で順平が口を開いた。
 彼のことはよくわからない。わからなくても問題ないので構わないのだが、何を気にして何に反応するのか少しも理解できなかった。何?と返すと、俺っちの優しい心づかいがお前にはわかんねーのかねぇ、としみじみと言ったていで返された。
 わかるかわからないかという問いなら、わからない、という答え以外ない。
 推測出来るかどうかというなら、一般常識内の範囲では推測できる。
 だがそれだけだ。それらしい答えを選ぶことはできるけれども、それを本当にわかっているのかと言われれば、それはやはりよくわからないとしか言いようがないのだ。
 そういう意味で順平のことはまったく理解できない。あれほどわかりやすい人間もいないでしょうと呆れられたが、確かにシャドウに突っ込んでいく時の直線的な動きはこれ以上ないというほど単純でわかりやすいが、こと口にする言葉はどの試験よりも難解な証明問題のようでで、結果としての答えはわかるけれどもそこに至るまでの道筋など解決の糸口すらつかめる気配はなかった。
「それ、何聞いてるの」
「さあ?」
「さぁってお前が選んでるんだろ、音楽」
 確かにCDを買ってきているのは自分だ。
 小首を傾げながら購入時の記憶を振り返り、その手に持っていたものを思い出す。
「……今週の売上三位」
「なんだ、それ」
 なんだと言われても言ったとおりだ。
 売上順に並べられたアルバムの、三番目の棚にあったものを手に取った。確かジャケットは青色っぽいもので、今耳に聞こえてくる歌声から女性アーティストのものなの葉確かだ。
「一位や二位じゃなくて、三位?」
「持ってたから。他は」
「いやいやいや。テキトー過ぎるだろ、それ」
 そう言われてもそれで問題ないのだから適当でも構わないのだ。音が鳴って外界との音を遮断する僅かなカーテンになりさえすればいい。日常というノイズを少しでも掻き消してくれればいい。
 それなら何枚も買わなくていいと言われるかもしれないが、同じ曲を聴き続けているとその音はやがて日常の一部になってしまって、外と同じものになってしまうのだ。それでは遮断できなくなってしまう。だから定期的に知らない音にする。そうすれば、保たれる。
 なのに……
「本当にわっかんねぇなー」
 聞き慣れてきた言葉がまた耳に届く。
 変わってる、わからない、変な奴。そう言いながら順平は毎日話しかけてくる。日常のことやシャドウのことやくだらないことや意味のないことや良くわからないことや興味のないことや、その他さまざまなことを。気のない受け答えに時には一人で怒りながらも、それでもまた、話しかけてくる。
 毎日同じことの繰り返し。日常以上に日常の風景。だが、
「順平は――」
「ん? オレっちが何?」
「――――変わってる、な」
 それはもう毎日の授業のように繰り返しのことなのに、何故か掻き消したいと思わない。
 日常なのに、ノイズにならない声。
 イヤホンから聞こえる音楽が、次第に小さくなっていくような気がした。

| ペルソナ | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。