運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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これが最後かもしれない

このところのブームは破局レイユリなんですがネタがなかなかまとまらない。
二人は互いに背中を寄せながらも寄り掛かってはいないイメージなので、
破局に至らないというか、離れるにしても二人同時に離れるような気がして、
どうも破局の修羅場(?)的なものが想像できない。
それでもまぁ何となく妄想してた残骸が続きです。超短文。

あ、コメントのお返事等は来週には!


 
 嫌なことに気づいてしまった。
 テーブルの上に置かれた走り書きのメモを見つめながらユーリは溜息をついた。
 朝の爽やか過ぎる日差しを受けた室内に響く、重々しい自分の溜息に憮然としながらユーリはいったん思考を断ち切るように湯を沸かし、そしていつもより少し濃いめの珈琲を入れる。砂糖はいつも通りに二杯。ミルクは少し多めに。
 冷たいミルクを入れたせいで温くなった珈琲を一気に半分胃の中に流し込んだ。舌の上を芳ばしい香りが通過していくのはわかったが、味は少しも感じられなくて、気持ちだけが砂糖とミルクの量に反比例して苦く染まっていった。
 指先でメモの文字をなぞって気づいたことを反芻する。気づいてしまった事実もそうだが、そんな些細なことに気づいてしまった自分自身が腹立たしかった。それほどに依存しているつもりなどなかったというのに、随分と多くのものをあの胡散臭いおっさんに預けてしまっていたらしい。
『ハリーからの要請でオルニオン。予定は二週間』
 短い走り書きの内容そのものはいつも通りだ。
 一緒に暮らすようになったといってもレイヴンは騎士団との橋渡しで帝国とダングレストをいったりきたりで、ユーリも相変わらず旅を続けてばかりで殆ど一緒にいることはない。それでも同じ場所に帰るのは居心地がいいものねと、たどたどしく告げられた言葉にがらにもなくユーリも同意したものだ。それは今も根本的には変わっていない。そう、思っていた。
 マグカップをテーブルの上に置く。
 メモの端を踏んだマグカップの底は濡れていたのか、円形の染みを広げた。
 細い文字が滲む。
 始まりは気づかなかった。二度目の時は違和感を抱きつつも気に留めなかった。そのこと自体は今までにもあったことで、別段気にするようなことではなかったはずなのだ。それが連続で三度目になった時、気づかない訳にはいかなかったが、深い意味を考えることは意識して避けた。
 そして誤魔化しながらも今回が連続で五度目。
 好き勝手に生きているのだ。すれ違いの生活も価値の置きどころも違うことなど重々承知していた。お互いに。
「――別にかまわねぇ、って思ってたはずなのにな」
 互いの連絡を取り合うメモに、必要事項以外が書かれなくなったのはいつだったか。
 急いでいる時に素っ気ない文章になることも、メモ自体がないことも別段珍しくなかったし気にも留めなかったはずなのに、そこに潜んでいる変化に気づいてしまったのは何故だろう。いっそ壊れるまで気づかなければその程度の繋がりだったと諦められたというのに、まだ相手の体温を体が覚えているうちに気づいてしまうなどと、一番タチが悪いではないか。
 今ここに書かれている文章も取り立てておかしいものではない。必要事項は書かれているし、戻ってくる時にはオルニオンの菓子でも土産にしろと伝言を送れば、恐らくユーリ好みの菓子を大量に携えて戻ってくるだろう。そして甘い匂いに不平不満を言いながら、冷たい肌を重ね合わすだろう、いつも通りに
 きっとまだレイヴン自身も自覚していないのだ。違和感に気づきつつもそれが何を意味しているのかわからなくて、ただ同じ日常を送っているのだ。
 気づかなければこのまま同じ時間を過ごせたのに。
 気づかないふりをすればもう少し浸っていられたのに。
 どうして気づいてしまったのだろうか。どうして今まで気づかなかったのだろうか。そしてどうして今すぐ、断ち切れないのだろうか。
 別の紙にさよならと書きかけた文字を乱暴に消して、北の方に旅に出るとだけ短くしたため、荷物をまとめて二人で住む家を後にした。

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