運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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甘口より甘いもの

キッチンのペーパー用にと思ってたんですが、
需要もなさそうだし長さも微妙だったのでここでUP。
マイソロでアスユリ。
設定的にはアス+レイユリな感じかもしれない。

アスベルは悪意がない時が一番タチが悪いと思う。


 
 紫紺の瞳がテーブルの上を見つめて静止する。
 じっと確認するように見つめながら何かを言いた気げに唇を開くが言葉は発さず、顔を上げてアスベルを視界に納めてから諦めるように、はぁ、と深い溜息を吐きだした。あの一瞬溜める仕草が色っぽくて敵わんのよねぇとしみじみと語ったのは、つい先日一緒に依頼を受けたレイヴンだ。
 確か彼は女性好きだと自分で豪語していたはずだが、そこは触れてはいけない領域なのよとシェリアに言われていたので黙っていることにしたら、突っ込んでくれなきゃ困るわよと怒られてしまった。だが代わりにとそれをユーリに伝えたら、翌日酷くぐったりとしたレイヴンに会って、お前さんは手強いねと苦笑と共に肩を竦められたものだ。
「どうかしたのかユーリ?」
 今回も何か拙いことがあったのかと、鍋を混ぜていた手を止めてエプロンで手を拭きながら体ごと振り返った。
 普段からユーリは言いたいことはきっぱりはっきりと口にするのに、言いかけて止めるなど珍しいことだ。何か相当に困ったことでもあったのかと、問題があったのなら俺でよかったら話を聞くがと続ければ、何故かより一層深く長い溜息で応じられた。
 よくわからない反応だ。
 ユーリは時々、というかかなりの確率で、上手く理解できない反応をする。別に気難しい性格という訳でなく、口調は少々乱暴な時はあるが基本的には困ってる誰かを放っておけない面倒見のいい性格だ。皆には頼りがいのある兄貴、といった認識をされているぐらいである。
 だがアスベルには、ユーリが返してくる反応がよくわからないことが多い。どうしてそこで困った表情をするのか、何故苦笑を浮かべるのか、何故諦めたよう溜息をつくのか、まったく予想もしないタイミングで返されるので難解なのだ。
 ただそれも、ユーリとよく一緒にいるレイヴンにいわせれば、あれはユーリの反応が難しいのではなくてアスベルが変わっているのだということになるのだが、残念ながら具体的なことは教えてもらえなかった。
「まずは簡単なことから片づけようか。お前、その格好は何だ」
「何か変かな?」
「そのエプロン……」
「うん? 料理をする時にはエプロンをするものだろ? カレーがはねた汚れはなかなか落ちないからな」
「妙なところで所帯じみたこと言うんだな、お前。じゃなくて、そのエプロンに疑問はねぇわけ?」
 それ、と指さされて自分の格好を見下ろす。
 至って普通のエプロンだ。紐が後ろで交差していて腰元で縛るようになっていて、前掛け部分が膝元ぐらいまである少し長めのどこにでもある形で、アスベルの服と同じ真っ白な作りだ。問題点といえば服が汚れないのはいいがこの白いエプロンでは、万が一汚れた時には落ちにくそうだなと心配していることぐらいだ。
「汚れはついてないと思うが?」
「違うだろ。そのフリル、気にならないのかよ」
「あぁ、これか」
 アスベルがしている白いエプロンの縁には白いレースで作られたフリルがついていた。肩紐の部分から胴の部分、スカート状になっている部分にも全てついている。
「これはソフィが付けてくれたんだ。新しく裁縫を覚えたからって、三日もかけて頑張ってくれたんだぞ」
「その前に止めろよ」
「どうしてだ?」
 ソフィが新しいことに挑戦しようとすることは、よほど危険なことでない限りダメだと言いたくはない。ソフィには色々なことを知ってほしいと思っているのだ。
 それとも覚えたてでは上手にできるかどうかわからないので、エプロンのような大きなものをさせるのではなく様子を見ろということだろうか。だがアスベルにすればソフィが自ら手をかけてくれたというだけで嬉しいし、見た感じではおかしなところなどは見つからなかった。
 もしかしたらユーリにすれば完成に異論があるのかもしれない。裁縫をしている姿を見たことはないが、料理は人一倍上手なので何でもできる家庭的なところがあるのかもしれない。
「上手にできてると思うが?」
「いやまぁ、出来はなかなかいいんじゃねぇの」
「よかった! ソフィも喜ぶよ」
 後で伝えてやろうと心に決める。上手にできているかどうか心配していたから、褒められたと聞けばソフィも喜ぶだろうし、それを考えるとアスベルも嬉しくなってくる。
「あー、そういう問題じゃなくて……っていいか。お前とあの子じゃそういう結果になるのは当然だったな。何となくたきつけた人物に心当たりあるから、俺がこっちで勝手にシメとくわ」
「???」
「いいんだよ、お前は気づかなくて。で、こっちが本命だが……」
 ユーリの手がテーブルの上の食材へ伸びる。
 味を見ながら量を加減していたので、どの食材も使いさしの状態で置いたままだった。その中で白い指が半分になったチョコをつまんで持ち上げた。
「甘いもの作るって――まさか甘口カレーなのか」
 まさかも何も甘いものなら甘口カレー一択だろう。
「定番だけどハチミツやチョコレートはカレーと相性がいいんだぞ」
「俺、クレープが食いたかったんだけど。チョコレートと生クリームのたっぷり乗ったイチゴチョコバナナクレープ」
「そうなのか? だったらナンの代わりにクレープ生地を焼こうか」
「……華麗に生クリームとイチゴを無視するなよ。お前の思考回路っていうか、何でもカレーに繋げるのはおかしいからな。そろそろ自覚しろよ」
 また溜息をつかれてしまった。だがそれを言うならいつもレイヴンにクレープクレープと言っているユーリも似たようなものなのではないだろうかと思ったが、口には出さなかった。ヒューバートを相手にする時以上に、口では勝てないのはわかっている。
 そもそもアスベルにとって甘いものとはすなわち甘口カレーのことなので、だからユーリの要望に素直に応えたつもりだったのだ。カレーじゃない甘いものが食べたいなら、カレーじゃないものをと言ってくれなければ間違えても仕方ないではないか。
 生クリームとイチゴ入りのクレープが食べたかったのなら、最初からそう言ってくれれば良かったのだ。だがそれでもアスベルとしてはカレークレープを勧めたい。甘めのクレープ生地とカレーの相性は、少し食べにくくてこぼさず食べることが難しいことを除けば、カレーパンよりも美味しい組み合わせなのだ。
 ソフィには歩きながら食べれるねと好評だったんだぞとつけ足せば、あっちの方がまだ空気が読めるんだなと、感心しているのか諦めているのかよくわからない口調で返された。
「で? 俺の甘味はどうしてくれるんだよ」
「うーん、生クリームの買い置きはなかったしなぁ」
 足りない材料を買いに行くぐらいは何の問題もないが、もうすでに待ちかねたようにテーブルの上を指でトントンと弾いてるユーリに、後一時間ほど待てというのは無理な話だろう。
 だが残っている甘いものといえばこの使い差しのチョコレートぐらいで、それもあまり量がないからこれで満足してもらえるとも思えない。ゆっくりと味わって食べれば少しは足しになるかもしれないが、ユーリの手にかかれば一瞬だろう。
「……ぁ」
「何だよ。なにかいいものでもあるのかよ」
「そう言えば、こうすればいいって――」
「?」
 ユーリの扱いにかけては熟知していると、得意げに語られた内容を思い出し、怪訝そうなユーリをよそに、残ったチョコレートをアスベルは口に含んだ。
 あっ、と切なそうに声を出したユーリににっこりと笑いかけて体を引っ張る。そして少し上を向きながら顔を近づけて、開いたままのユーリの唇へと自分の唇を重ねた。
「――!!」
 もがこうとする手をぎゅっと掴む。
 身長はユーリの方が高いし剣を持てばどちらが強いかはわからないが、少なくとも純粋な力ではアスベルの方が強かった。
 暴れる手を掴みしなやかな曲線を描く腰を引き寄せつつ、体を調理台の方へと押し付ければ抵抗はほとんど封じ込める。簡単に捕まえられる細さなのに華奢な感じは全くしない。寧ろ強い鞭のような感覚で、驚いて大きく丸くなっている紫紺の瞳と正反対の印象だ。
 口の中のチョコレートを舌で溶かしながら、堅く結ばれたユーリの唇をゆっくりと舐める。意外に滑らかで柔らかい唇なのだなと思いつつ、だが誰かの唇など子供の頃に悪戯でヒューバートにキスをした時以来で、その時の印象もそれほど鮮明ではないので、その感想がどれだけ的を得ているものかはわからなかった。
 チョコレートを口移しするように舌で塗りつけていけば、閉じられていた唇は簡単に緩く開いて、アスベルは甘くなった自分の舌を口内へと侵入させる。迎えに来るように柔らかな舌が触れて、チョコレートの塊を挟んで舌と舌とを絡め合った。
 舌の熱で溶けてカカオの香と甘味が広がっていく。アイスキャンディーのようにさっぱりとした甘さではなく、濃厚でいつまでも続くような深い甘味。こんなに甘かっただろうかと首を捻りつつも、妙に癖になってしまうような酷く惜しい甘さに感じられた。
 一心にty子レートの甘味を追うユーリは、とても幼い表情に見える。アスベルもよく幼く見えると言われるが、ユーリは普段が鋭くて隙のない表情をしている分、蕩けるように熱っぽく開かれた瞳を見せる表情は、幼さが際立っているように感じられた。
 普段は本当にいい兄貴分で、自分もこんな風に余裕のある兄でいられたら守れたものもあったのだろうかと思うほどだ。彼の側は不思議と安心させられる空気が存在していて、隣に立っているだけで自分の中の迷いを落ち着かせることができるのだ。
 そんなユーリが隙だらけの表情を見せている。
 口内に広がる甘味とは別の濃く熱っぽいものが胃の辺りを熱くするのを感じた。
 口の中に残る最後の甘い塊をユーリの口へと移し終えると、アスベルは全く抵抗のなくなっていたユーリの体をそっと離した。
「満足できたかな?」
「お、まえっ――!」
「ゆっくり食べると少ない量でも満足できるものだって教えてもらったんだけど……やっぱり少な過ぎたかな?」
 やはり物足りなくて怒らせてしまったのかと、今からでも何か甘いものを買って来ようかと提案したが、綺麗な紫紺の瞳が物言いたげな視線で睨みつけてくるだけだった。調理台に手を突いているせいか、下から見上げられるような状態で向けられる視線は珍しくて、思わずじっと見入ってしまった。
 ユーリは手の甲で唇を拭いかけて、だが途中で止めて手を下ろし、何かを抑えつけているかのように今までで一番長い溜息をゆっくりと吐き出した。
「…………アスベル」
「なんだ?」
「あんま聞きたくねぇがその情報、誰から仕入れた?」
「あぁ。この前レイヴンが、ユーリにはこうするのが一番いいんだって、手振り身振りを交えて教えてくれたんだ。あの人、色々なことを知ってるんだな。――って、ユーリ?」
 言葉の途中でユーリは、いつも下げ緒に絡めている手でしっかりと剣の柄を握り踵を返した。
「……ちと用事思い出したから、片づけてくるわ」
「ん? そうなのか? 時間かかりそうなのか?」
「ま、そこそこな」
「じゃぁその間に何かデザートも用意しておくことにするよ」
「あぁわりぃな」
 何かよほど重要な用事なのだろうか。それならば手を貸そうかと声をかけるべきだったかと、閉まる扉を見つめながらアスベルは思ったが、何となく今はついて行かない方がいいような気がしたのでまぁいいかと一人納得しておくことにした。
 とりあえず生クリームを買ってきてクレープの用意でもしようかと、フリル付きの白いエプロンを外して買い物に出ることにした。ついでにソフィが食べたいと言っていたカニタマの材料も、一緒に探しに行くのもいいかもしれない。
 遠ざかっていく悲鳴と騒がしい足音を聞き流しながら、アスベルはソフィがいるであろう部屋へと向かった。


本当はもっと甘い話にしようと思ってたんですが、
何処を間違ったかただのおバカな話になりました。
青年にはちゅうすればいいのよと教えられて何の疑問も持たずに実行するアスベル萌え。

この後ユーリに、おっさんにはサバの味噌煮でやってやれよと冗談で言われて、
そうですね今度試してみますと笑顔で答えればいい。アスベルなら素でやってくれる。酷い。
だがアスベルにちゅうされてうろたえるおっさんは可愛いと思う。

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