運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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貴方に永遠を誓えればどれだけいいだろうか

それが不可能なことだと知っているから誓えない。
いつか貴方を置いて行くのは避けられないことだから。
だから願ってしまう、せめてそれまでの間はずっと共にと。
どれだけ残酷なこと気づいているのに。
貴方が拒否しないとわかっているから甘えてしまう。

CP制覇を目指しながら一押しCPを書いてなかったね!
という訳でTOGでラムアス!

ラムダさんは口は悪いけどアスベルには優しいし甘いよねと妄想。
アスベルもラムダには普段言わないような弱音とか零すといいんじゃないかな!
ラムダの前だと肩の力抜けて甘えるといいんじゃないかな!


 
「いつまでそうしている気だ」
 三度目の呆れた声が聞こえて、アスベルはようやくゆるりと瞼を上げた。
 薄く開いた視界の先はどこまでも続く湖のような広がりと、同じくどこまでも続く薄い水色の空のような広がりがある。静かで物音一つしない、髪を揺らす風一つ吹かない、部外者の存在はいっさい許されていない場所。
 ここにいるのを許されているのはアスベルと、そして目の前で浮かぶ黒と紫を霧のようにまとった存在だけだ。
「……ラム、ダ」
 この空間の中にアスベルは膝を抱えるような格好で浮かんでいた。重力という概念もここにはない。そもそもラムダと共有している領域であるここは、意識の内側と表現するべきような場所なので物理的な法則とは無縁なのだ。
「貴様、いつまでそうしていれば気が済む」
「――怒るなよ。ここはお前と俺が共有している場所なんだろ。だったら少しぐらい俺がここにいてもいいじゃないか」
「我を馬鹿にしているのか。都合のいい避難場所に使うでない」
「だってここぐらいしか落ち着ける場所がないんだから仕方がないだろ」
 丸まっていた体を伸ばしてながらそう言えば、ぴりぴりと苛立ちを含んだ気配が伝わってきた。今日は随分とご機嫌が斜めのようだ。それともよく今日まで我慢してくれていたものだと感謝すべきところだろうか。
 いつもならアスベルが意識をここに落としても別に何も言わずに無視を決め込んでいることが多いのだが、さすがにここに一週間毎日で、しかも今日は朝から半日ここにいるものだから我慢の限界というところなのだろう。だがそれにしたって千年も生きてきた身としてはちょっと気が短いよなと思ってしまうところだ。
 思うだけで口にしなかったのは以前さらに怒らせたことがあるからだが、残念ながらここは混ざり合った意識下で、しかもアスベルには何も隠したりする意志がないものだったから、どうやらすべてラムダに筒抜けになっていたらしい。
 ざわざわと黒い霧が揺れた。また怒らせてしまったようだ。お前の特技は我を怒らせる事かと言われたこともあったなとぼんやりと思えば、
「いい度胸だな」
 やはりそのまま伝わっているらしく低い響きが思考を遮った。
「別に悪気があるわけじゃないぞ」
「悪気がなければすべて許されると思っているのではないだろうな」
「そんなことは思ってないけど、許して欲しいなとは思ってるさ。お前に怒られるのはなかなか堪えるからな」
「……白々しいことを」
「嘘かどうかはお前にわかるっていうのに誤魔化したりはしないさ」
「貴様は誤魔化さないのではなく誤魔化せない、だろうが」
「あぁそうかもな。さすがラムダだな」
 その手の自覚はあるので肯定すれば、長い溜息が返ってきた。
 最初の頃こそ何にも動じない超然とした雰囲気を纏っているように感じていたが、こうやって長い時間を過ごしているとラムダも意外に感情がすぐに出ることがわかる。
「……。で? 今度はいったい何なのだ」
「最近さ、見合いの話が煩くって――」
「それで逃げ回ってると? くだらぬな、その必要性はお主が一番わかっているだろうに」
「わかってるさ。けど……」
 領主という立場にいる以上、誰かと結婚して子孫を残していくのは避けられない責務の一つだというぐらい理解している。それにアスベルにしても、これからまだ長い時間をフォドラの意識と過ごすであろうラムダの為や、同じく長い時を生きていくであろうソフィの為にも、自分の思いを継いでくれる誰かを残していきたいとも思っていた。
 だがそれを真剣に考えるにはまだ、色々と割り切れないものもあるのだ。
 宙に浮かんだままの視線でラムダへと手を伸ばす。ラムダはアスベルに近づきはしなかったが逃げもせず、ふわりと霧のように漂うな影に触れることを許してくれた。
 手の平の中にすっぽりとはまるような柔らかくて温かな塊。ラムダ自身には特に決まった形というものはなくて、球体をしているのはそれが一番力を使わずに安定する状態なだけなのだと、以前つまらなさそうな口調で教えられたことがある。
 アスベルはこの状態のラムダが好きだった。人の姿をしていなくても、何かの器に収まっていなくても確かにラムダであることを感じるし、それにアスベルにしてみれば一番見慣れた姿でもある。例え宙に浮く不安定な霧にしか見えなかったとしても、ラムダが何を感じているのかは手に取るようにわかるし、アスベルにとってはそのままのラムダがラムダだった。
「……。我と共に歩むことと誰かと結婚することは、別に相反すまい」
「――あぁ。お前なら……きっとそう言うだろうなって思ってた」
「ならば我に何を期待している」
「期待、か。……そうだな期待してるっていうよりも、俺自身の整理がつけられないってのが正解かな」
 もしもこの手で他に守るものが何もないのならば。
 それはとても不毛な仮定だけれども、もしそうだとしたらアスベルはソフィを連れてラムダと共に生きていくことだけを選ぶだろう。何も持たずにラムダを内に宿したまま、ソフィと共にこの世界をゆっくりと旅して、そして何処か誰も知らないところで瞼を下ろすことを夢見るだろう。
 もちろんそれは実現できないとわかっているからこそ願う夢なのだとはわかっている。酷く自分勝手なものだともわかっている。だがアスベルにとっては突き詰めてしまえばそれが全てなのだ。
 大切な人も守りたい人もたくさんいるけれど、自分が守らなければいけないと思うものは、自分の手だけで守り通したいと思うのは、それが全てなのだ。
「お前がどういった人生を歩もうとも、所詮我から逃れられはせぬ」
「あぁ」
「どれだけ平穏な日常を送ろうとも、お前の身の内から我という脅威が消えることはない」
「そうだな」
「お前が望もうとも、我を排除する術などない」
「わかってる」
 誰にも、アスベルにも、そしてきっとラムダにも、アスベルとラムダの関係を壊せはしない。決して離れることのない繋がり。誰も介在することの出来ない、誰も邪魔することの出来ない二人の間にだけ存在する関係。
「――ならば何も問題あるまい」
「うん……。ありがと、な」
「少し眠れ」
 柔らかく体の中に流れ込んでくる温度はいつかラムダに体を委ねた時と同じ感覚で、だからこそアスベルは安心して瞼を下ろし意識を解放する。
 今だけ少しだけ、甘えさせて。
 そんな想いに応えるように、くだらぬことを願うのだなと、聞き慣れたラムダの呆れた声が心地良く響いた。

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