運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | TOP↑

≫ EDIT

まどろみのなか

グレイセスでラムアス!
もうね、茨の道でもいいのよ。
未来への系譜編をプレイしたら書かずにはいられなかったよ!

まぁ一応ネタバレっぽいので続きからどうぞ。
アスベルさんの懐の広さはパネェよ!


 
 人間の体は脆いし弱い。
 脳に行きわたる酸素の量が少し低下しただけで意識を失い昏倒するほどには脆いものだ。
 別に大したことはしていない。血液中のエレスの流れに働きかけて、体をめぐる酸素濃度をほんの少し一時的に低くしてやっただけだ。体を乗っ取った、というほどの時間でもなければ範囲でもない。
「だからって、お前……」
 晴れた空をそのまま映し取ったようなスカイブルーの双眸が、怒ったような困ったような表情を浮かべて向けられた。だが恐らく、そこに含まれている怒りの成分は無理やり表に出している僅かなもので、大部分は困った成分で構成されているのだろう。
 もしかしたら嬉しいというものも混じっているかもしれない。その理由はよくわからないが、以前その言葉を口にした時にも似たような表情を浮かべていた。まったくもってどういう思考回路を通ってきた結果そのような結論に辿り着いたのかは甚だ不明だが。
 だが何にしろラムダに対して否定的な感情ではないということぐらいは、この理解し難い男――アスベル・ラントのことを推測できるほどには同じ時間を過ごしていた。
「我のやり方に不満か」
「不満かって――。そりゃいきなり意識を失わさせられたら驚くだろ。話があるならいつでも聞くじゃないか」
 確かに聞くだけならいつでも耳を傾けることは知っている。いつぞや言い寄ってきた女性がいるところで話し掛けてやったが、この男は自分の言葉の方に当たり前のように意識を向けてきた。嫌がらせにもならないのでつまらなく感じたものだ。
 だから今回は少々強引な行動を取っただけだ。執務中に意識を失わせて無理やりこちらに引き摺りこんだ。忙しく働かなければならない状況下では最高の嫌がらせだろう。
「それに倒れた時に頭打ったし。あれ絶対コブになるじゃないか」
「油断していた貴様が悪い。もう少し身の回りの状況には目を配っておくことだな」
「おいおい。失神させられることなんか普通は考えないだろ」
「知らんな」
 言い切れば、まいったなと呟きながらも何故かアスベルは笑みを浮かべている。
 解せない。普通はその言葉とその表情は対になるようなものではないはずだ。しかもこの意識の境界下で伝わってくるアスベルの精神は、とても穏やかで嬉しそうな色と流れに満たされている。流れに身を任せてゆっくりと瞳を閉じてしまいたくなるような不可解な気配だ。
 千年と生きてきた身でも理解できないほど不可解で、そのくせ色々と口喧しく言ってくるこの存在を不愉快には感じない。何もかもが理解の範疇外だ。
「――ありがとな」
 その証拠に、この男はまたもや理解不能な言葉を口にした。
「……やはり頭の打ちどころが悪かったのか。人間とは脆いな」
「俺を休ませようとしてくれたんだろ」
「体は我も共有している。それだけのことだ」
「あぁそうだな。でもそれだけじゃないだろ」
 言葉に表しづらいものがざわざわと心を揺らした。
 それに呼応するように、ラムダとアスベルの意識の境界を表しているこの場所に揺らめきが生まれる。ラムダの姿を示すぼやけた球体と同じ黒い波が、アスベルの体にまとわりつくように広がった。
 遥か昔にコーネルが語ってくれた魔王に魅入られた姫君の話が思い出されて、だが人物の不似合いさにすぐに打ち消した。この男は魅入られて囚われるようなか弱く可愛気のある性格ではないことを、ラムダ自身が一番よく知っている。ただその話の魔王の行く末だけは、自分と似合うかもしれない。
「くだらぬ」
「くだらなくなんかないさ。ラムダ、お前が感じて思って語ってくれる言葉に、くだらないものなんて一つもない」
「……少しは休め。その為に多少はまし人間を揃えているのだろう」
「ましって……。だがそうだな。俺一人じゃ出来ることにも限界があるからな」
「それを知っていながら無茶をする。愚かだな、貴様は」
 命の危険があるにもかかわらずとどめを刺さずにラムダを受け入れ、しかもラムダを信じて完全に体を預けることすら容易く決断する。信じているから当たり前だといい、借りたものは返すものだからなと諭すようなことまでいい、だが状況を理解していないのかといえばそんなことはなく、危険も何もかも承知で曇りなく向かい合ってくる。
 愚かだという以外に表現のしようがない男だ。そんなことでは簡単に利用されて騙されて裏切られて危険に晒されるのが関の山だというのに。だが口でいくら言ったところで、何もかも受け入れるくせに譲らないところは意地でも譲らないこの男は、聞いてはいても聞き入れはしないのだ。
 ならば強硬手段を取るよりほかに手はあるまい。
「何だか、お前にはいつもそう言われてる気がするな」
「気のせいではない。我はいつもそう思っている」
「――もっと近くに寄ってもいいか」
「この場所で距離という概念など無意味だ」
「そうでもないさ」
 ここでのラムダの姿もアスベルの姿も、ただアスベルが理解しやすいように外での姿を反映しているだけで、実際は形のない意識だけなのだ。くだらないと重ねて答えたがアスベルは全く気にした様子はなく、手を伸ばして視覚的にラムダに見えている部分に手を伸ばしてきた。
 実体はないのだからもちろん感覚はない。
 だがふわりと「温かい」気がした。自分もどうやらずいぶんと毒されているようだ。
「俺はこうやってお前と会うのは嬉しいよ」
「……」
「お前はどうだ、ラムダ」
「……さっさと眠れ。何のために我が手を出してやったと思っている」
「体は眠ってるんだから問題ないだろ。――で?」
 近づいてきたアスベルの体がラムダを抱え込むようにして丸くなる。ラムダを中心にして膝を抱えるようにしたアスベルがそのまま宙に浮いているような格好だ。
 離れろと言いかけて、アスベルのスカイブルーがゆっくりと閉じられているのを感じ、言葉を飲み込んだ。
 やがて伝わってきた穏やかな気配に、
「……。悪くは、ない、かもしれぬな」
 聞こえぬように囁いて、その体を包み込むように意識を広げた。


未来への系譜編をプレイしたらラムダがデレ過ぎて!!!
とりあえず落ち着く為にSSSにしてみましたよ、と。
アスベル守るラムダとか、ラムダを当たり前に信じるアスベルとかもう!

| グレイセス | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。