運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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休憩しましょ

ふと思いついて書きだしたはいいが、着地点を途中で見失った。
まぁそんないつも通りのSS。

レイユリのつもり。
異論は認めるが修正する気はさらさらない。


 
 
「せいね?ん! 待ってよぉ?」
「おら、ちゃっちゃと歩けよ。おいてくぞ」
「酷いっ! こんな山の中で置いてくなんて酷いっ!」
「おっさんがさぼろうとするからだろ」
 そう言いながら、宣言通り歩く速度を一切緩めることなく、ユーリはすたすたと前を進んでいく。
「冷たい……」
 項垂れながら振り返ることのない黒い背中を追いかけた。ユーリはレイヴンにだけは冷たい、というか厳しいと思う。
 エステルやリタが疲れたそぶりを見せたり、少しでも歩く速度が落ちてきたら自然に歩調をゆっくりにするし、暫くすれば疲れたから休むかと自分から休憩をしようと言いだして休憩をはさむ。それがカロルやパティ相手でもそうだ。
 だがレイヴン相手ではそんなことが一切ない。明らかに歩みが遅くなっても早くしろの一言だけだし、休憩しましょうと訴えても煩いと一蹴されるのが落ちだ。
「青年はおっさんのこと嫌いなの?」
「はぁ? 気色悪いポーズで気色悪いこと言うなよ」
 隣に追いついて裾を引っ張って訴えかければ、ペチリと叩かれて払われた。
「だって青年、おっさんのお願い聞いてくれない」
「休憩なら勝手にしてろ。帰りに拾ってやる」
「うううっ。少しぐらいは、大丈夫か?って聞いてくれてもいいじゃない」
「そんだけしゃべれりゃ大丈夫だろ」
 別にお嬢ちゃんたちのように丁寧に扱って欲しいと、そこまで言っている訳ではない。ただ少し、そうほんの少し、もうちょっとでいいからレイヴンに優しくして欲しいと思うのだ。
 少し歩みを合わせてくれたり、三回に一回でいいから休憩の訴えを認めてくれたり、大丈夫かと心配して欲しいだけなのだ。
「……くだらねぇ」
「くだらなくなんかないの! おっさんには重要なことなの!」
「おっさん十分元気じゃねぇか。それなのに心配なんかする必要ないだろ」
「いいじゃない! おっさんだって青年に振り向いて欲しいのよ!」
「あのなぁ……」
 呆れた声と共に、ようやく足が止まった。
 長い髪が慣性で前にふわりと流れ、降り注ぐ太陽のように光を反射させながら肩へと滑り落ちる。烏羽色の髪が白い頬とうなじを隠し、皮肉気に持ち上げられた唇の端を柔らかく撫でた。
「俺としては、そんだけしゃべり続けられるおっさんが、元気じゃねぇってのが信じられねぇけどな」
「もう限界! 本当に限界! 青年が優しくしてくれないから限界!」
「どんな基準だってーの」
 柔らかく、笑って。
 紫紺の瞳は微かに眇め、小さく首を傾けて、花が綻ぶ寸前のように柔らかく唇を弛めて笑う。香りたつような笑みに思わず息を飲んだ。
 が、そんな雰囲気をも一転、手を伸ばしかけたレイヴンをするりとかわし、ユーリはまた前を向いて歩きだした。
「ちょっ! 休憩は?!」
「いらねーだろ」
「何でおっさんには冷たいのよー!」
「だから、別に冷たくねぇって」
 肩越しに振り向いた瞳が、楽しそうに笑っていた。
 悪戯っぽい表情と、色香を誘う表情を、その両方の成分が丁度同量混ざり合っている、ある意味ユーリらしい表情だ。
「おっさんの「疲れた」も「休憩しよう」もただの甘えだろ? 騎士団で鍛えた体のくせに、俺より体力ねぇとか言わせねぇからな」
「鍛えててもおっさん年だから! 若くないから!」
「年寄りが俺ら相手に一人で足止めなんて出来ねぇよ」
「うっ――」
「エステルたちのは無理してるから。おっさんはさぼってるから。俺の対応、間違ってねぇだろ」
 でもまぁ、と言葉が続いた。
「俺もちと疲れたかな。この先に開けた場所あるから、休憩にするか」
「青年――愛してる!」
 最大限の愛をこめて抱きついたが、残念ながら返してもらえたのは熱い抱擁ではなく、鳩尾に強烈な拳を一発、だった。
 そのおかげで本気でダウンしてゆっくりと休憩できたのは、良かったのか悪かったのか、それとも予定通りだったのか、その判別は付かなかったし付けるつもりもなかった。

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