運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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ユリレイ本

夏にはユリレイ本を書きたいなぁと思ってる。
ピュアラブなユリレイ。
ただこれはもう本当に時間がない。
〆切も早まるし、皆さん忙しいし、正直難しいかなぁ。
何よりその前に個人誌二冊がどうなるかorz

ま、珍しくタイトルだけは決まってる。
「ラスト・ブリリアンス」
出来れば↓こんな話が書きたいんです。


 
 柔らかな光が新緑を照らし、命そのものを現わしているような光景が目の前に広がる。
 一面の草原。もちろんそれは平穏だけではなく、魔導器のなくなった今は特に魔物との遭遇と紙一重の場所ではあるけれども、それでも美しいとそう思って見つめていた。
「――俺も、歳とったのかな」
「ユーリが年だってんなら、おっさんはどうなるのよ」
 昔ほどは若々しいほどの張りはないが低く凛とした声に、レイヴンは苦笑を浮かべながら返す。
 確かにユーリはもう、青年と呼ぶには不釣り合いなぐらいには年を重ねた。呼びかけが「青年」から「ユーリ」に変わったのはいつのころだったのか、ユーリに尋ねれば恐らく明確な答えが返ってくる気がしたが、その必要さは感じられない。
 今はもう思い出せないけれど、最初はくすぐったかった名前を呼ぶ行為も、今はもう慣れた。それほどには以前のことだということだけが確実なだけだ。
 レイヴンから見ればユーリはまだ若い。十四歳も離れているのだ。出会った時と比べると年を取った分だけ小さな違いに思えるが、瑞々しいほどの若さはなくてもレイヴンにはない力強い生命力は感じられる。
 レイヴンにはもうないものだ。
 ないというか、持ち続けられないものというべきか。
「おっさんは今も昔もおっさんだろ?」
「慰められてる気が、しないわねぇ」
「そりゃ、慰めてるんじゃなくてただの事実だからな」
「あれ? おっさん苛められてる?」
「そうか? 愛されてるの間違いだろ」
 さらっと愛などという言葉を囁くユーリは、けれど表情も態度も昔と大して変わらない。
 変わったのは伸ばしていた髪を後ろで束ねるようになったことと、出会ったころのレイヴンと並ぶほどに年齢を重ねた。それだけだ。
「――で、なんで歳、取ったのよ」
 体力の衰え、低くなった沸点、世間を渡る方法を覚えたこと。そんなことは本当に今更で、ことさらに年を感じるようなものでもない。
「……。いや、綺麗だなって思ったから、かな」
 変わらずに美しい紫紺の瞳がレイヴンを捉えて、そして目の前の草原に向けられる。確かに綺麗な光景だ。エステルを連れてきたら、昔と変わらずに無邪気な表情で喜ぶことだろう。
「? おかしくはないでしょ?」
「そりゃ、昔だって綺麗だって思ったさ。ただなんていうか……眩しいぐらいに、って思っちまったから」
「あぁ。確かに……眩しいわね」
 それは出会ったころにレイくんがユーリに対して抱いた感想と同じだと思ったが、口には出さなかった。
「でもユーリ、年寄りくさいわねぇ」
「ははっ。だから年取ったのかなっていっただろ」
「ま、ユーリもおっさんになったってことねぇ」
「おっさんにおっさんって言われるのは心外だな」
「認めなさいよ。三十五歳は加齢臭のするおっさんなんでしょ」
「うわぁ、サイアクだな」
「ちょ、それは酷い言い方じゃない?」
 いつも通りの軽口の応酬。いつも通りの景色。いつも通りの、けれど貴重な時間。
 これがずっと続けばいい、そんなささやかな願いが一番贅沢な願いなのだということは、昔から知っていた。そうずっと昔から、知りつくしていたことだ。

 ただ少しの間だけ忘れていたかった。
 変化は穏やかでも必ず、やってくるのだということを。

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