運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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浸食

ご無沙汰しててすみません。
例年通りなんですが、後一ヶ月は死ぬほどリアルが忙しいです。

そんな訳でこれまた読む人を選びそうな話を投下。
アビスでピオジェイ。
主従ってか、どこか探り合いのような二人が好きです。


 
「……何をしているのですか、と聞いて欲しいのならそう仰ってください」
 わざとらしく溜息をつきながら、顔も見ずに言い放った。
 自分のことながら無礼な態度だとは思うが、これでも大臣たちの前では自制しているのだから問題はない。そもそもこの相手が、ジェイドに対しては王座を無視したような態度を昔から続けているのだから、責任はピオニーの方により多くあるはずだった。
「言ったらお前は完全に俺を無視するだろう」
「無視なんてしませんよ。ただ意識に入らなくなるだけです」
「同じだ、同じ。まったく、冷たいヤツだ」
 不満げにそう言って、執務室に置かれている来客用のソファに寝転がる。
 仰向けに転がった勢いで淡い金の髪がふわりと舞い、この国の最高権力者を追いかけるようになびいた。
 顎の辺りで髪を留めている飾りが鈍い光を反射させて光る。ごく普通の髪留めに見えるが、珍しいスカイブルーの宝石をはめ込まれたそれ一つで一般市民の年収ぐらいにはなる。
 そんな嫌味な飾りが呆れるほどに良く似合っていた。
「紅茶は無いのか?」
「あるように見えますか?」
「目に付くところにないから聞いてるんだ」
 ふんぞり返って、さも当然のように返してくる。
 自分の発言が全て許されると自信を持っている態度。そこれが生まれながらの王者というものなのか、それとも不本意ながら昔から知る相手に対する信頼なのか、ただ単に本人の性格によるものなのかは微妙なところだ。
 ジェイドとしては、最後の推測を強く支持するところだが。
「コーヒーしか飲みませんので」
「なんだなんだ、冷たい返事だな。俺と一緒だといつも紅茶を飲むじゃないか」
「皇帝陛下に対するお付き合いぐらい、私でも出来ますよ」
「よし、じゃぁこの部屋に紅茶セットを用意させよう」
「……公費で無駄なことをしないでください」
 というか、人の部屋に勝手にものを増やさないで欲しい。ちなみに今ピオニーが転がっているソファも、自分がサボりに来た時に寝やすいものがいいと、ジェイドがいない間に勝手に大きなものに変えられていたのだ。
 そもそもやると決めたらだれが何を言っても無駄なのはわかっていた。恐らく明日の朝にはピオニー好みの紅茶セットが、この部屋に不似合いなぐらいの場所を占拠して鎮座していることだろう。それでも一言口にするのは、ほとんどクセのようなものだ。
「ローズヒップティーはどうだ?」
「どうだと聞かれても、私にはわかりませんよ」
「それとも普通にダージリンか?」
「だから知りませんよ」
「つまらんつまらん。お前と一緒に紅茶を決めようとする俺の心を無碍にするな」
 強固に反対していない、だけでも評価してもらいたいものだ。
「無碍も何も、お好きなものを置けばいいじゃないですか。私には味の良し悪しなどわかりませんよ」
「相変わらずわかってないな! わかるかわからないかじゃないだろ」
「……じゃぁ、なんです」
 座り直したソファの上から晴れた空色の瞳が一直線にジェイドの瞳を射抜く。
 口元に笑みを浮かべ、ふんぞり返った姿勢で足を組んでいる様が異様によく似合うものだ。
「お前と決めることに意味があるんだろ」
 良く通る声が、弦を爪弾くように澄んだ音色で響く。
 響いた音は耳朶を揺らし鼓膜を震わせ、体の中で幾重にも反響して広がっていくように感じられた。優しく、けれど有無を言わせぬ澄んだ力を有している、声。
「――――馬鹿馬鹿しいですね」
「何を言う! 新婚さんみたいで楽しいだろうが!」
 本当に、声だけならば逆らうことの出来ぬ力を有しているのに、との感想をいつも通りに浮かべながら、最初よりも盛大な溜息をついた。

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