運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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ほんの、日常

ヴェスペリアオンリーが開催されてますが、寂しくお留守番です。
ああ!買い物したかった!

そんな思いを込めつつ、ナイユリSSSです。
ま、親子以上恋人未満?
仲のいい二人が大好物です。


 
 見上げると、琥珀色の瞳と視線が重なる。
 気恥かしさがこみ上げて来て視線を逸らそうとしたが、彷徨いかけたところで瞳が微笑むように眇められたので、悔しくなって睨むように見つめ返した。
 優しくて力強くて、どれだけ苛立っていても心が静まっていく眼差し。
 何故とかそんな疑問を挟む余地もなく、包み込まれてしまう。
「どうした、ユーリ」
 名前を呼ばれることなど特に何でもない当たり前のことなのに、任務中に聞く響きとはまったく違って聞こえた。
 音の低さも、紡がれる早さも、含まれている温かさも同じなのに、肺が濃い濃度の酸素で埋め尽くされて逆に酸欠のような状態に陥りそうだ。
 苦しくなる呼吸に、はくはくと唇を開閉させてから、舌先で唇を湿らす。
 ひりひりとする喉を潤すように唾を飲み込めば、詰まるように痛んだ。
「ずりぃ……」
「ん? 何のことだ?」
「なん、で」
 ナイレンはただじっとユーリを見ているだけで、ユーリはそんな隊長を見上げているだけなのだ。
 それなのに自分は気恥かしさやら、奇妙な熱さやら、煩い心臓やら、震えそうになる声やら色々なものにさいなまれているというのに、当の相手はいたって普通。いつも通り。何も変わりのない態度。
 まったくもって不公平だと言わざるを得ない。
 いつもいつもいつも、怒るのも突っかかるのも悔しい思いを抱くのも機嫌を損ねるのも宥められるのも、自分だけなのだ。ユーリがどんな態度を見せたとしても、ナイレンはただじっとユーリを見つめて、そして苦笑と幸せを混ぜてすりつぶしたような、滲み出てくるような笑みを浮かべる。そして、
「怒るなよ。困るだろ」
 少しも困っていないような余裕の表情で、子供にするようにユーリの頭を撫でるのだ。
「――困ってねぇくせに」
「そんなことねぇよ。どうしていいかわかんねぇんだよ」
 だからこうして撫でるしか出来ないのだと続ける。撫でて、そしてもう片方の手でユーリを抱き寄せる。
 優しい手つきの、けれど力強い腕は、ぎゅっと息が苦しくなるぐらいの強さでユーリを腕の中に閉じ込めた。抵抗する間も与えずに、抱きしめて閉じ込めて額にそっと口付けを落としてくる。
「だから、怒らんでくれよ、ユーリ」
「……怒って、ねぇし」
 もう最初に何が気に入らなかったのか、こんなふうにされてしまっては、思い出すことも出来なかった。

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