運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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オネダリユーリ

あけましておめでとうございまし…た?
年末から絶賛体調不良継続中です。
頭痛&熱→胃痛&吐き気に変わってきた今日この頃。
熱はないのに熱っぽく感じるのは風邪の諸症状なんだけど、
これが一週間以上続いてるっていうのがなんともorz
インテまでには治したい!

そんな訳でちょっと頭のわいたナイユリ。
拍手返事等は、もう少しお待ちくださ、い。
バタリ


 
 半開きになった自室の扉を見て、ナイレンは軽くため息をつきながら押し開いた。
 半分はその犯人に向けて、もう半分はその光景を見慣れてしまっている自分に向けて、だ。
「お、やっと戻ってきた」
「戻ってきた、じゃねぇよ。鍵をかけろとはいわねぇがせめて扉ぐらいちゃんと閉めてろ」
 後ろ手に扉を閉めながら、効果がないことがわかりきっている台詞を口にして顔をしかめる。
「あー、わりぃ。両手がふさがってたから」
 何でふさがっていたのか、は聞かなくても見ればわかった。
 行儀悪くソファに寝そべっているユーリと、その前に置かれた広い机の上に広がっている菓子。散乱している目に痛いぐらいの鮮やかな色の袋は、どれもが乱雑に開かれていて、中身は既になくなっていた。

「ったく、いつからここは駄菓子屋になったんだぁ?」
「新製品の発売日でさ。全部買ってきた」
「お前なぁ。そんな栄養のないもんばっか食ってるから筋肉がつかないんだぞ」
 だらりとソファに寝転がったままのユーリの元まで歩み寄る。
 棒付きの飴をしゃぶったまま、丸い瞳がナイレンを捉えた。
 他の隊員たちに見せるものよりも艶やかさが多いと思うのは、関係ゆえか願望なのかは定かではない。ただ確かなのは、視線に艶やかさが含まれているとしても不思議はない関係がある、ということだけだ。
「だって甘いの好きだし」
 舌で自分の唇を舐めると艶やかな口元が際立つ。
「食い過ぎだって言ってんだよ」
「下町にいたころじゃ食えなかったしさー」
「せめて自分の部屋で食えよ」
「部屋だとフレンの奴がうるせーし」
 どうせ今のように袋を散らかしっぱなしにしていて怒られるのだろう。
 同郷であり同期である二人だが、性格はまるで正反対だ。戦闘になれば驚くほど息がぴったりなのだが、それ以外のことはおもしろいほどに衝突している。
「だからってここで食い散らかしていくなよ。この前もユルギスに不審な目でみられたんだぞ」
「隊長が食ったって言えばいいだろ」
「俺は甘いもんくわねーんだよ」
 隊員たちにはいつでも部屋に訪ねてきていいと言ってあるし、実際何かと相談や雑談をしにやってくることも多い。だがさすがに隊長の部屋で大量のお菓子を食べ散らかす人物など、そうそういる訳でもない。
 まあ隊長の部屋という限定がなくても、これだけ甘いものを一度に大量に食べる人間、となれば隊の中ではユーリ一人に限られてしまうのだが。

「何? バレたら困る?」
 くすりと、楽しむような笑いが声に混ざる。
 正確にはそれが、からかいながら楽しんでいることを装いながら、その実は拗ねているのだということはわかっているのだが敢えて気付かないふりをしておいた。
 子供扱いされることをユーリは極端に嫌がる。それこそが子供っぽさの最たるものなのだが、ナイレンに並びたいと必死に背伸びしようとする姿を否定するつもりはなかった。ユーリに含まれている真っ直ぐな真剣さは守りたいものであったし、何より嬉しいものでもあった。
 自分を見上げてくる眼差しはいつも心地良い。
「困らねぇけどな……大っぴらにするのはさすがにまずいだろ」
「ふーん」
 右手の中指と親指で棒を引っ張り、しゃぶっていた飴玉を取りだす。
 毒々しいまでに赤く大きな丸い飴玉。
 ニッと笑ったユーリの口元から鼻に付く甘い匂いがふわっと広がる。
 あまりの甘い匂いに顔を顰めたナイレンを楽しそうに見つめ、ユーリは唾液で濡れた甘い固まりを舌で舐めながら、ゆっくりと上体を起こした。
 真下からねめつけるように見上げてくる、眼差しに濃い色が差し込む。
 先ほどの子供っぽさが勝る眼差しから、無邪気さが変質していく。

「――なぁ、たいちょうぉ」
 ねっとりと糸を引くような甘い声とわざとらしい甘えた口調が、締め切った室内の空気を緩やかに振動させた。
 子供の好む菓子の匂いに混ざって、子供のものではない気配が空気を塗り替えていく。
「甘いの足りねぇんだ、隊長」
「……こんなに食っておいてよく言うな」
「わかってて焦らすなって。待ちくたびれたっての。だからさ、」
 白い指が腰のベルトを掴み、ナイレンの体を引き寄せるようにひっぱる。
 指に込められた力はそれほど強くはなかったが、抵抗などする気はなく膝を折って座ったままのユーリと目線を合わせた。
 口に一度飴玉を含んでから、ちゅぱっと音を立てて引き抜く。
「――もっと甘いのを、くれよ」
 強請るユーリの唇を塞ぐように重ねれば、眩暈がするほど甘い匂いが咥内に広がった。
 その甘い匂いを掻き分けるように舌を差し入れて絡めれば、匂いだけでなく濃厚でチープなイチゴの甘い味が流れ込んでくる。甘い味の染み込んだユーリの舌が求めるように擦りつけられてきて、咽返りそうなほどだ。
 甘い唇から紡がれる、甘い誘惑。

「たいちょう……あまい」
「オメェの口が甘いんだよ」
 既に熱を持ったようにうるんだ眼差しが見上げてくる。
 吐く呼吸の一つ一つが熱の高さを如実に表していて、抑えるつもりのない自分自身の熱も急速に引き上げられていった。甘い空気が熱い空気に変わる瞬間。
 揺れる眼差しを確かめるようにもう一度唇を重ねる。
 軽く触れる舌先がくすぐったく、絡み合う唾液さえ、熱を隔てるもののように感じられてもどかしい。
「――んなことねぇよ。この飴、もう甘く感じねぇし」
 摘んでいた飴を床へと落として、背へと伸びてきたユーリの手がぎゅっと縋るように服を掴んできた。
 その手を振り払う意思は毛頭なく、テーブルの上を片付けないといけないなと思いつつ、しなやかな体に圧し掛かるようにゆっくりと体勢を傾けていく。
 今は自分も、目の前にある甘さと熱さに流されていたかった。

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