運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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ユリユリにしてやんよ

バーサス準拠のユリユリ。
前回の続きで、通常ユーリに白ユーリがくっ付いてきた話
意外に二人が仲良しになったww

まあ、何だ。
ユーリが二人いれば相乗効果で美味しい。
ユーリが正義。


 
「ああ、アンタがハンクスじいさん?」
 口を開く前に自分と同じ声が響いた。
 すぐ前にいるじいさんは、今にも煩いと言いそうな口の形で振り向いた。だがユーリと、そして斜め後ろにいる声の発生源とを視界に収めると、瞬きを三度してから固まった。
 やっぱりそういう反応だろうなと、他人事のように思う。
 実際ユーリも、ハンクスの立場なら同じ反応しか返せないだろう。
 たっぷり十数秒そうしていて、ユーリともう一人の顔を交互に見比べること十回、ようやく言葉を発した。
「何で二人おるんじゃ」
 まったくもってそれは正しい疑問だ。
 同時に、正しいが無意味な疑問でもある。理由などユーリにもわからない。レプリカという存在を説明することはできたとしても、当たり前のような顔をしてユーリについてきている、この状況を説明できる言葉などあるはずがなかった。
「いや実は俺、長い間生き別れになった双子の兄貴を探してて、な。それが偶然、このユグドラシルバトルの最中に見つけたって訳だよ。まさに感動の再会ってやつ」
「……ユーリ、お前に双子の弟なんぞいたのか」
「馬鹿言うなよじいさん。そんな話聞いたことねぇよ」
「――っていう話が、本当に聞こえるほど似てるだろ」
 驚きを隠せないハンクスと、苦虫をつぶしたような表情をするユーリとを見て、白い服に身を包んだ『ユーリ』はにやりと笑ってみせる。
 ユーリがどう言い訳をするのかを試して遊んでいるのだ。それとも変な言い訳で追い出されることがないようにと、先手を打って来たというべきか。
 どちらにしろ、こいつの言葉の九割以上が、ただ楽しいからという迷惑極まりない、けれども何となく同意できる、そんな成分で組み立てられていることだけはわかった。
 有効な言葉を返せないユーリをしりめに、『ユーリ』はハンクスの前に足を進め、にっこりと笑みを浮かべて手を差し出した。その笑みはユーリには見せたことのない、それはそれは爽やかな笑みだ。自分と同じ顔がそんな表情をしているとは、まさしく悪夢だ。
 本性を知っていれば胡散臭過ぎて警戒心以外抱きようがないのだが、如何せんハンクスにそれがわかるはずもなく、慌てて服で掌を拭いてから握り返した。周りから見ればユーリよりも愛想の良い、好青年にでも見えていることだろう。忌々しいことだが。
「これからこいつと一緒に世話になるぜ、ハンクスじいさん。よろしくな。俺の名前は――ああ、そうだな、とりあえずシロ、とでも呼んでくれ」
 子犬みたいで可愛い名前だろ、と続ける言葉に、本気で逃げ出したい気分になった。


 トントントントンと手元の玉ねぎをテンポ良く刻んでいると、隣からトントントントンと同じテンポで玉ねぎを刻む音がする。別に揃えている訳でもないのに、自然に重なっていく音。いつもの丁度半分の時間で完了していく、下ごしらえ。
 漏らしそうになった、どんな感情を混ぜたものかわからない溜息は、わざとらしく飲み込んだ。
「――で、テメェはいつから『シロ』になったんだよ」
「なかなか愛らしい名前だろ」
「犬の名前みたいな呼び名が、か?」
「二人ともユーリじゃ説明が面倒だしな。それともなんだ? 俺とお揃いで呼ばれたかったのか、ユーリ?」
「……お揃い、とか言うな気持ちの悪い」
 名前に妙なイントネーションまでつけられて、思わず睨み返した。
 だが当の本人は全く気にした様子もない。
 そうだろう。言っている方としては気にすることでもないし、どちらかと言えば楽しい状況のはずだ。よくわかる。腹立たしいけれども。
「呼びやすくていいだろ。それに俺は別にかまわねーぜ、犬でも。――なあ『ご主人様』」
「……勘弁してくれ」
 自分と同じ声が自分を妙にねちっこく『ご主人様』と呼ぶ様は、気持ちが悪いを通り越して頭が痛くなってくる。どうにかして欲しい状況に、頭は現実を受け入れるのは半ば拒否していて、白い服に身を包んだユーリ――自称『シロ』の姿を見るだけで項垂れてしまいそうになった。
 何がどうしてこんな厄介事を拾うはめになったのか。
 港街での出会いを思い出して、今度は隠さない溜息を吐きだした。
 あの時の自分の僅かな逡巡が心底悔やまれる。
「何? シロっての気にいらねーのか?」
「勝手にしろよ。お前がそれでいいならいいだろ」
 白い服を着てるからシロでいいだろ、と当然のように言われてしまっては、異論を挟む余地などなかった。子どもだって拾って来た犬猫にもう少しマシな名前を付けるだろうにと思うが、本人がそれで良いなら良いことだ。
 呼びやすくて短い名前なのだから、ユーリにとっても都合がいいと言えば都合がいい。それに、一度自己紹介をしてしまった後で名前が違います、などと言えるはずもなかった。
 結局は、ユーリがここに戻ってくる前に有効な言い訳を用意できていなかったことに原因があるのだから、自業自得と言ってしまえばそれまでだ。
 だがいったい誰が、有効な解決手段など思いつくのか。
「――で、いつもこんなことしてるのか?」
 包丁の動きを止めずに、呆れた口調の声が問いかけてきた。
 ユーリもテンポを変えずに動かしながら、小さく肩を竦める。
「世話になってるんだから、居酒屋の手伝いぐらいしねーと悪いだろ」
「何だ? 仕事あんまりねーのかよ」
「関係ねーだろ」
 そもそもギルドに回ってくる依頼は、大半が報酬も小さく面倒な依頼ばかりだ。仕事があると言えばいつでもあるし、ないと言えばないようなもの。忙しく動き回っても手元に残るお金は限られているし、好意で部屋を貸してもらっているのだから出来る限り手伝うようにしている。
 理由も告げずに長く留守にすることがあっても、変わらずに出迎えてくれるここには、恩に近いような感情があるのも確かだ。それに、料理をすることは別に嫌いではない。
「関係ないってこともないだろ。これからは一緒に住むんだからな」
「……考えたくなかったけど、やっぱそのつもりかよ」
「当然だろ。請負人さん」
 勝手につけられた通り名で呼ばれ、思わず包丁が止まった。
 隣では同じテンポで包丁が動き続けていて、藤紫色の瞳が面白そうにユーリを見つめている。
「まあ世話になるんだからな、俺も手伝ってやるさ。居酒屋の下ごしらえだろうと、子犬捜しの依頼だろうと――請負人の仕事だろうと、な」
「せいぜい期待してるさ」
 積まれた玉ねぎを刻み終えた相手に、次は人参を手渡しながらそう言うと、
「せいぜい期待させてやるよ、ユーリ」
 と、皮肉気な、けれど何処となく喜んでいるようにも感じられる声音が返ってきた。
 予想と違った色のこもった声に咄嗟に反応が出来ず、休まず包丁を動かし続ける横顔を思わず見つめる。だが相手の視線は妙に真面目に人参に集中していて、ユーリの方を振り返ることはなかった。
 その姿にユーリは、口の中だけで「期待してるさ、ユーリ」と、相手に聞こえないようにもう一度小さく呟いた。


ほのぼの路線で書いてみたユリユリ!
あの美人さんが並んでカウンターの中にいたらガン見しまくりだよ!毎日通うよ!
黒ユリたんは一度懐に入ってこられた相手には弱いと思うんだ。
白ユリたんはそこにつけ込んでずっと一緒にいれば良いよ。

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