運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

2008年02月 | ARCHIVE-SELECT | 2008年04月

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バトン?

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           ̄ 
【置くだけバトン】。
……いや、何となく便乗してみたくて。
これを見た人で気が向いた方はどこにでも置いてやって下さい。
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ひかり、ひかる-セシカイ-

まだFF4クリアしてません。
あれだけマップに注意してたのに全マップ制覇できていないらしく、トレジャーハントがゲットできなくてショックです。なのでもう一度心当たりを回ってます。ついでに持ち越しアイテムのしっぽ集めにも奔走。でもそろそろクリアしないと、世界樹の迷宮2もSO1もTODディレクターズカット積んでるし、まもなくSO2発売なのに!
というわけで、ゲームするために仕事辞めたい病が発動中です(笑)。
ちなみに今回のSSはセシカイ好きのSさんに捧ぐ。好みじゃなかったらごめんなさい―。



 いつも見慣れていたはずの背中だったはずだ。
 最初は自分の世界に割り込んできた気にくわない思いだけを抱えて見ていた。王から受ける特別な眼差しも、何かと世話を焼くローザの行動も、何もかもが気にくわなかった。カインが手にしていないものを差し出されながらそれに手を伸ばすことなく、背を向けて理不尽や痛みを諾々と受け入れる姿が腹立たしかった。望みがあるのなら手を伸ばすべきなのだ。それなのに周りにある光を見ずに暗黒の力を受け入れるその姿が、事あるごとに苛立ちをさそった。
「――カイン、僕は」
 立ち止まった背中は躊躇いを含みながら振り返った。
 夜の月明かりを受けて淡い金の髪がプラチナのような輝きを反射させ、優しい空を思わせる瞳がその光を受けて漣のような揺らぎを見せる。昔のように言葉に含ませる戸惑いと躊躇い。昔とは違い光そのもののように輝く姿。
 あぁ、彼は確かにパラディンとしての力を手にしたのだと実感させられる。例え今、暗黒の鎧に身を包んだとしても、以前のようにそのまま闇に沈んでしまうかのような危うさを感じることはないだろう。月の光も届かない深い闇の底でも、自ら光を生み出すことができるだろう。
 セシルはどこか変わった。光に包まれた姿もそうだが、彼自身は何も変わっていないはずなのに、受ける雰囲気が変わったように思う。以前のようなどこか壊れそうな頼りなさが消えて、穏やかながら強い意思を感じ取ることができるのだ。暗黒の気配で覆い隠されていた脆さが、淡い光の中に存在する確固たる力へと変わっている。
「カインがいたから前に進むことができた。そう、思う」
「……そんなはずはない。お前はお前の力で変わって、そしてここまで来た。俺は何も――俺には何もできなかったさ」
 存在していたのは小さな矜持と、矜持で隠そうとした嫉妬だけだ。竜騎士としての誇りと、けれどその誇りを持ってしてなお、拭い去ることが出来ない醜い感情。消し去ることができず、だからと言って認めてしまうこともできず、日を追うごとに自分の中で大きくなり制御できなくなっていく感情。
 それは嫉妬なのか。あるいは恐れなのか。
 わかるのはその感情が、セシルの背を見るたびに大きくなるということ。
 彼の側にいればいるほど大きくなり、彼の側を離れていればいるほど暴れるということ。
「違うよ。僕は弱い」
「そんなことはない」
「弱い、よ。誰かの助けを受けなければ前に進めない」
「…………」
「カインがいつも助けてくれたから、僕は逃げずに済んだ」
 そうやって自分の弱さを認め、誰かの助けを受け入れられることは強さだ。
 眩し過ぎるほどの、正しい強さだ。
 苦しくなるほど正道を貫いた、姿だ。
「僕はカインの為に強くなりたい」
「自分の身ぐらい自分で守れる」
「そうじゃないよ」
 白い手が伸びてきた。盾を構え剣を振るうはずの手は、けれど象牙細工のように白くて整っている。長く細い指先は武器を構えるよりも楽器をつま弾いたり本を手にしたりしている方が似合いそうだ。
 指先は顔を覆う兜のラインに沿うように動く。まるで壊れ物を扱うかのような繊細な動きだ。自分はそんな風に扱われなければならないほど弱い訳ではない、そう振り払おうとしたが、声帯も自分の腕も思い通りには動いてくれなかった。
「カインが、大切なだけだよ」
 冷たい兜越しに、感じるはずのない指先の熱が伝わってくる気がした。

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貴方の重み -バシュバル-

 別にどうしても抱かなければ我慢できないという訳ではない。そのことばかりが頭を占めていた若いころではないし、自分を律するということも苦手ではない。もちろん欲求がなくなるというようなことはないが、優先順位を下げられるほどには理性の制御がきく。けれど溢れんばかりの性欲とはまた別の感情がバルフレアの身体に手を伸ばさせる。その手に、足に、腰に、背に、頬に触れたいと思わせられる。
 性欲とは切り離せないが、単純な性欲とはまた違う衝動。
「――おい、引っ張るなよ」
「こちらに来てくれても構わないだろう?」
「今新聞を読んでるのが見えないのか? もうすぐ終わるから待てよ」
「私の隣でも読めるだろう?」
 まるで我儘な子供のような言い草だと思ったが、それは本心でもあった。掴んだ腕を離さずにやや力を込めて引き寄せると、やれやれと溜息をついてバルフレアは観念したように近づいてきた。人の言うことには否ということが趣味のようなバルフレアだが、意外に人の要望を無下に拒否したりはしない。自分のプライドや利益に差し障りがない限りは、相手の意見を出来る限り受け入れてくれるのだ。
 そう言う意味ではバッシュ自身の方が人の意見を受け付けないところがあるだろう。出会った初めのころにバルフレアに言われたものだ。笑顔で頷きながら人の意見を却下する、と。自分のことながら言い得て妙だと感心してしまった。
 隣にバルフレアが座り、ベッドのスプリングが少し沈んで彼の重さを振動に変える。伝わってくる動きが心地よくてそっと目を瞑り、小さな揺れが完全に止まるまで全身でその動きを感じ取った。生きているから動いている、その当たり前のことを今更のように実感し身体の中にため込む。ジワリと自分の中に温かいものが増えていくのがわかる。
 バッシュは手入れをしようと取りだしていた武器を袋の中に戻した。
 どうやらこれだけでは満足できないらしいと悟り、バルフレアの腰へと手を伸ばす。
「――バルフレア」
「何だよ。もう少し待てって」
「――バルフレア」
「だから待てって。後少しだから」
「――バルフレア」
「おい、待てよ。拒否してるわけじゃないんだから少しぐら――」
 腰を後ろから抱きかかえるようにして、そのまま後ろへと引き寄せて倒れ込む。バランスを崩したバルフレアの身体は、当然のようにバッシュの腕に抱えられたままバッシュの上にのしかかる格好になった。ベ安宿のッドのスプリングとバルフレアが同時に抗議の声を上げる。
「おい!」
「――このまま」
「アンタ馬鹿か? 少しぐらい待てよ」
「暫くでいいから、このまま」
「はぁ?」
「このまま」
 今バルフレアの体重は完全にバッシュにかかっている。バッシュがバルフレアの体重程度で苦しくはないだろうが、それでも大人の男一人の重さがのしかかっているのだ。楽な態勢のはずはないし、好んでするような格好ではない。
 だがバッシュはバルフレアの背に額を押し当てたまま、じっとバルフレアを支えていた。
「……重いだろうが、こんな態勢」
「そうだな」
「……離、せよ」
「だが、いいものだ」
「…………」
 ギシギシと響くスプリングに身を沈めながら、バッシュは呟いた。
「生きている重みだな」
「――本当に馬鹿だな、アンタは」
 新聞がバルフレアの手から離れ床に落ちる音がした。だが重みはバッシュの手の中に確かにあり、「重いな」と噛み締めるようにもう一度呟いた。

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小さな答え -ジェイルク-

エルドランド突入前夜ぐらいのイメージで。
ルークは自分の命を掛けてさえ、誰かに愛される資格などないとどこかで思っていたんじゃないかと思います。ちなみにジェイルクは暗くなるのがデフォです。



 愛してくれなんて言わない。ずっと側にいてくれなんて言わない。俺の罪を許してくれなんて言わない。俺を見てくれなんて言わない。ただ拒絶しないでいてくれたらいい。
 怖いけど怖いと言って困らせたりしない。死にたくないけど、死にたくないと言って困らせたりしない。だから少しだけ優しく背中に触れて欲しい。
「少しだけで、いいから――」
 懇願の台詞を口にして手を伸ばす。
 狡いなと自分でも思ったが、それ以外に相手に触れる術をルークは思いつけなかった。そして方法を選んでいられるほど自分に時間が残されていないことも分かっていた。狡くて卑怯で拙くて、認めることはできても変えることはできない。
 触れると、明け方の空気に冷やされた布の冷たさが伝わってきた。ジェイドがいつもルークを見つめる眼差しと同じで拒絶するようで体温を含んでいない温度。けれどじっと触れていても逃げることのない感触。そして次第に温かくなってくる空気。
 触れた胸の先、戸惑うような呼吸と一瞬だけ不規則になった心臓の鼓動がとても心地良かった。相手に押し付けた頬から次第に少しだけ温かみが伝わってくるようで、それだけで心の中に出来ている埋めることの出来ない穴が満たされるような気がした。それは管を通っていく水の流れのように瞬きするぐらいの一瞬の出来事だったけれども、乾いた砂漠に染み込む一滴の水でしかないかもしれないけれど、うるおいを確かに感じることができた。
「ジェイドの傍にいると落ち着くんだ」
「――私は貴方の精神安定剤ではありませんよ」
「うん、わかってる。でもそう思うんだ」
「迷惑です」
「うん、でも少しの間だけだから」
 それは、今少しだけ側にいるという意味と、もう後少ししか存在していられないから長い期間ではないという意味と。自分で言葉にしておいて少しだけ怖くなり、けれどそれを言い訳にジェイドに回した手に力を込めた。
 手袋を嵌めたジェイドの手は下ろされたままだった。その手がルークの背に回ることを望んでいたけれども、それが現実には起こりえないことも承知していた。ただその手がルークを引き離そうと肩をつかんだり身体を押したりしなかった、そのことだけで良かった。もしジェイドがルークに向かって手を伸ばしてくれることがあるうとするのならば、それはきっとルークが音素に分解されて消えるその瞬間だけだろう。それも僅かだけ。本人以外は動いたことすら気付かない僅かだけ、弾かれた反射のように動くだけだろう。
「それで、いいから」
「…………」
 確証などないけれど確信しているその小さな反応を想像するだけで良い。
 それだけで満たされる。
 消えてしまう体では何も残せないし何も渡すことが出来ないから、だから残りの少ない命を掛けてこの世界を救って、ジェイドが見せてくれる小さな答えをもらっていく。それが望める精一杯だから。

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桜の下には -師ティキ-

師匠は出てこないけど師ティキ。
最初は砂糖吐くほど甘い話の予定だったのに、どこかで方向を間違えた気がする。おかしい、どこで間違えたんだろう?


 桜の花弁は人間の血を吸って色づいた美しさだと昔の人は例えたらしい。色鮮やかに咲く桜の木の下には数多の死体が埋まっているのだと。桜が美しく咲き誇る姿を眺めながらその下に埋まるものに恐怖し、同時にその恐怖に魅入られる。それはまるで一度壊すと二度とは元に戻らないと知っていながら、それゆえに壊し続ける行為に似ている。奪った命は戻らないと知っていながら、だからこそ奪い続ける行為と通じるものがある。
「これで今年も綺麗な花が咲く、ってね?」
 目の前で赤い糸を引きながら崩れ落ちていく名前も知らない人間を見つめながら、ティキは小さく呟き唇の端を持ち上て笑った。視線を少しだけ上に向ければ細い枝の先には仄かにピンク色が確認できるかどうかの小さな桜の蕾が見える。まだ朝晩は少し肌寒いが、桜の木は春の訪れを感じ取っているらしい。あと二週間もたてばこの辺りは薄ピンク色の花びらで空一面を染め上げるのだろう。昨年見た時のように、何もかも飲み込むような美しさで。
 ビクンッと苦しみの声を上げるようにティキの手の中で心臓が最後の脈を打ち、鮮やかな飛沫が辺りに赤色を散らす。心臓から溢れた粘り気のある血が指の間を伝って手の甲から腕、そして肘まで線を描いて地面へと滴り落ちる。地面には赤い花が咲き誇っているかのようだ。これだけ鮮やかな色が地面に染み込み、桜の樹の根がその色を吸い上げるとしたら、さぞかし綺麗な花が咲くだろう。
「ティッキ?。お仕事終わった?」
「ん? あぁ、ロード。ちょうど今終わったところ。オレ、真面目だからね」
「何馬鹿言ってんだよ。ティッキーがサボってばっかだから僕もついてきたんだろ」
「あれ? そうだっけ?」
 肩をすくめながら胸ポケットの煙草を取り出す。仕事の後の一本は気持ちいい。口の中に鉄を食んだような広がる血の味と煙草の煙が入り混じって独特の匂いになる。この不安定で曖昧な雰囲気が好きなのだ。
 少し顔をしかめるロードのご機嫌を取るように笑うと火をつける。煙いと文句を言いながらも、ロードはティキの横に並んで立ち、そして蕾を付け始めている枝を見上げた。
「ティッキー何考えてた?」
「……へ?」
「桜の木の下には死体、なんていう古ぼけた都市伝説でも考えてたとか?」
「古い、か」
「古いよ?。もう聞き飽きてカビが生えたような話だろ」
「生えてるかもなぁ、カビ」
「――ねぇ、ティッキー」
「ん?」
 見上げてくるロードの金色の瞳が光の加減で赤い色に見えた。数多の血を吸い赤く染まった瞳、そう口にしかけたが、言ったらおっさん臭い感想だと言われるだろうから空気と共に飲み込んだ。まだ血の匂いを内包している酸素と共に、肺の奥へと。
「いいかもね、案外」
「何が?」
「赤い血を吸って綺麗な花が咲くなら、赤い人の赤い血を吸ったらもっと綺麗な花が咲くかもって話」
「何、それ?」
「べっつにー」
 からからと響くロードの笑い声を聞きながら、一人の不遜なエクソシストの男の姿を思い浮かべた。だがあの男が桜の下に埋まる姿は想像できなかった。おとなしくティキに殺されてくれるような奴ではない。どちらかといえば桜の木の下に倒れたティキを無感動に見下ろす、そんな姿の方が似合っているだろう。
 そしてその情景は、それほど悪いものでもないようにも思えた。

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ざっくり語ってみた

今日は児/童/ポ/ル/ノ法改定についてしってますか?という話について。というかそれに付随する準ポルノ規制についてのちょっとした独り言。言いたいこと100%語りだすとあまりにも長くなり過ぎるので所感だけですが、内容が萌えとは違うので格納しておきます。
私の語りはどうでもいいのですが、こういう規制に含まれている危うい側面を考えて欲しい(まぁ私が偉そうに言うべきことじゃないとは思うんですが、ね)。

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今はない、けど -ディムスタ-

スタンが乙女だし話が暗いし…。と思いつつもUP。
ディムスタは基本悲恋だと思います。かつ初恋だったらさらにいいと思う。



 本当にいつの頃からか、もうわからなくなってしまったけれど、あまりにも当たり前に傍らにいたから、失うことなんて考えもしなかった。今思えばその考えに根拠などなかったはずなのに、太陽が東から昇ってくることのように、彼が自分のすぐ傍にいることを当然だと思っていた。
 最初から一緒にいた訳でもないのに。一緒に過ごしたのは、実際には短い時間だったはずなのに。自分にとっての世界は彼がいることが当たり前になっていた。呼べば低い声が応え、戦いの中ではいつもアシストしてくれて、知らないことを色々と教えてくれた。少し短気なところはあったけれど、いつも最後まで付き合ってくれた。
「ディ…ム、ロス……」
 呼びかけても答える声はない。返ってくる言葉はない。口煩い小言もない。ここにあるのは戦いの末につかんだ、平和で満ち足りた世界。けれど彼らのいない世界。
 明るい日差しが窓から差し込んできて、白いシーツとスタンの頬を温める。柔らかな光は指先を舞うように煌めいていて、そっと手を伸ばしたが、光は触れる前にそっと消えた。太陽の光は惜しげもなく地上に降り注ぐけれど、彼と共に見上げた空ほど眩しいものを、スタンは見つけられずにいる。
 ゆっくりと身体を起こした。
 どれだけ彼のいない世界を信じられなくても、世界は確かにここに存在している。彼がいなくて生きていける自分が不思議に思えても、心臓は胸の中でドクドクと脈打ち命を支えている。手の中にあの大きく硬い剣がないことが信じられなくても、炎を纏ったあの剣は世界のどこにも存在していない。
 ディムロスはどこにもいない。けれどスタンは確かにここにいる。
 そっと起き上って窓を押し開くと、冷たい朝の空気を通り抜け、暖かな日差しが肌に降り注ぐ。ピンと張りつめたような冷たさが広がっているのに、柔らかな日差しはそれでも肌を優しく温めてくれる。何ものにも遮られることのない、太陽の暖かな日差し。彼がくれた太陽の、光。
「もう、本当にいないんだ、な」
 自分に言い聞かすように呟いて、瞼を下ろす。
 溢れ出る涙は止まりはしなかったけれど、頬を伝う涙は太陽の光を受けて、やがて誰かの指先のような温もりに変わっていった。

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ロク刹、とか言ってみる

今更ですが、だぶるおー19話に触発されて書いてみた。
ロク→刹の方が好きなんだけど、ここは敢えてロク←刹の風味で。
慣れないうちはキャラを掴み切れていない上に内容がしょぼいのはお約束。



 この優しい手を振り払えない。
 この優しい手に触れられていていい理由なんて一つもないのに。この温もりを感じてもいい理由なんて一つも思いつかないのに。この手の傍に存在していていい理由なんて、争いが一つもない世界の中にだって、あるはずもないのに。
「何故?」
 答えを求める思考が百回は同じ道を辿ったところで問うてみた。
「さーて。何故だろうな」
 微笑と、少しだけ軽い口調で問い返された。
 けれどその声が微かに掠れていることに気づいて、その事実と、気づいた自分に驚いた。
 人が何を考えていても自分には関係なかった。人が何をしていても自分には関係なかった。人が何を思おうと、自分に関係などあるはずがなかった。自分にとってはただ、ガンダムという存在がすべてで、それ以外はあってもなくてもどうでも良かったのだ。
 それなのに、気づくはずのないことに気づいた。彼の声が掠れていることに。絞り出すような苦しさを纏っていることに。浮かべた笑みがいつもよりぎこちないことに。見つめてくる瞳の中心が、少しだけ刹那から外れていることに。
 ギリリ、と痛んだ。
 彼の大切なものを自分が奪った事実に、ではない。自分の犯した罪の重さに、でもない。もしかしたら自分の命が終わっていたかもしれないという恐怖ですらない。もしそうであったなら、自分は少しはまともな人間だったのかもしれない。
 痛かったのは、真正面しか向けられたことのなかった顔が、ほんの少し刹那を避けていたこと。ただそれだけの事実に肺に杭を打たれたかのような痛みを覚えたのだ。そんなことに痛みを感じるような資格などあるはずもないというのに。
 答えられなくて視線を逸らすと、テーブルの上には無造作に投げ出された銃があった。本来ならそれはそこではなく、彼の手に握られていて銃口は刹那に向いているはずなのに、何故か誰にも向けられずにテーブルの上に放り出されていた。
 死にたい、訳じゃないはずだ。
 死んでもいい、とも思っていないはずだ。
 それなのに、ロックオンが引き金を引くのならば、その銃口の前から逃れるつもりはなかった。逃れたいとも思わなかった。引き金が引かれる音を、銃弾が打ち出される音を、最後まで聞いていたいとさえ思ってしまった。
「わからない」
「……そうか」
 ――お前が俺の銃口の前から逃げなくていいと思うのと同じように、俺はお前に向けた銃口ならば引き金を引かなくても良いと、そう思ったってだけのことだ
 遠くを見ながら静かに告げられた言葉に、疑問は再び振り出しに戻ったが、胸の苦しみがゆっくりと流れていく音が遠くで聞こえた気がした。

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この手を、 -イクディム-

復帰第1段?
短いけど気にしないー。意味がわからなくても気にしないー。
ラブい話を書く前の自己流リハビリです。



 離せとも、掴めとも言わないのですね。
 蒼い髪が揺れる背中に伸ばしかけた手を自分の意思で止め、心の中で呟いてみた。女々しい言葉だと思いながらも、呆れる自分の理性とは裏腹に、感情はその言葉が生み出した小波に揉まれて揺れ動いていた。ディムロスがどう反応しようともそれでイクティノス自身の何も変わる訳がないのに、答えの出せない責任をそうやって押し付けている。
「状況は?」
「東側、西側の拠点とも戦闘はすでに終結しています。ここが最後です」
「……そう、か」
 返答に一瞬間が空いたのは、きっと犠牲の多さを思ってのことだろう。そして苦い表情をしたのは、自分が出向いていれば犠牲を減らせたかもしれないと考えた、自身の傲慢さを疎んでのことだろう。生真面目なことだ。いっそのこと自分がいれば戦いが有利に進むと豪語して憚らないほどの性格であればよいものを、戦争に身を置くには変に潔癖過ぎる精神だ。
 苛立ちと、そして眩しさを感じずにはいられない。
「たまに私は、虚しく思いますよ」
「イクティノス?」
 彼から与えられるのならば拒絶ですら甘美だ、そう臆面もなく言葉にしたのはカーレルだった。だがその言葉に嫌悪を抱きつつも否定できなかったのは、イクティノス自身だ。隠そうとしている奥に眠るものを、カーレルは事あるごとに見せつけるように暴きだす。そして少しも隠さずに言うのだ。大丈夫です、私もそう思っていますから、と。知恵の林檎を食べるように唆す蛇のように。
「私が言うと変ですか?」
「いや……」
「私も虚しく感じることはありますよ。この戦いの果てに何があるのか、と。この戦いの先で自分の望むものは手に入れられるのか、と」
「…………」
「もしかしたら戦いなど終わらなくても、望むものを手にできるのではないか、とね」
 戦いに疲弊し、その身体が崩れることがあれば、手に入るのではないかと思う。戦争が続こうが、天上軍の勝利で終わろうが、関係ない。ただその張りつめた精神の糸が切れることがあれば、それさえ望めば良いのではないかと。
「……何のことだ、イクティノス少将?」
「別に。ただの例え話ですよ。愚かな、ね」
 途中で止めていた手を伸ばして、何気ない表情のまま蒼い髪に触れる。所々に返り血がこびりついていたが、それでも鮮やかな蒼さは損なわれるものではなかった。さらさらと指の間から逃げるようにこぼれていく様が、憎らしいほど美しかった。

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復帰に向けて2

Hamさんからまわして頂きました。
思い出せバトン、かな?
この年になると思いださない方がいいことの方が増えていく…

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復帰に向けて1

ヒナさんから半裸バトンが回ってきました。
お題はクロス。
あぁ、確かに彼は半裸がデフォみたいなものかも。

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近況

多大なご心配をおかけして申し訳ありません。
体調不良はとりあえず小康状態です。
一応検査結果は異状なしでした。
頭も血も綺麗なものだと言われました(あれだけ不摂生な生活なのに…)。

まぁ原因が分かってないので微妙ですが、何とか活動は再開できそうです。今週?来週中には本格復帰できると思います。バトンとか、心配のメッセージとかたくさん頂いているんですが、もう少しお待ちくださいませ。

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昨日はちょっと頑張ってUPしたんですが、体調不良はどうやら本格的です。めまいの原因は不明。と言うわけで、血液検査に加えて明日は頭部のCTとってもらいます。
脳が腐ってるとかカスカスだとか言われたらどうしようかとちょっと心配です。

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not to return -ティキ-

体調不良が重なっていたので思考が暗くてすみません。しかも今日はお雛さんだというのに何という空気の読まなさ…。
ティキは常にノアである自分に違和感抱いていたらいいなぁと、そんな妄想1000%の産物です。



 目の前の「少し前まで動いていた物体」をティキは静かに見下ろした。
 次に自分の手を見てみると、生温かな赤い血を滴らせる心臓があった。
 自分が、少年の胸へと手を差し入れ、心臓を掴みだして殺した。それはもう何度も繰り返してきた行為で、今更自分の所業に驚いたりするはずもなかった。だが手の平の上の心臓から手首を伝って肘まで濡らし、そして地面へと滴り落ちていく赤い血は心の端をギュッと掴んでいるようで、呼吸が苦しくなるような気分にさせられた。
「何か……気分、ワリィ」
 どろりとした塊が胃から這い登ってきて喉元にこびりついている気がする。無理矢理飲み込んだ塊が気管へと侵入して、呼吸をするのを妨げているような気がする。酷く空気が少なくて深い沼の底へと押し沈められているかのようだ。今回に限って何故こんな気分になるのか、自問しながら視線をもう一度横たわる少年に向けた時、納得がいってあぁと小さく言葉を漏らした。
 似ていた。穏やかな表情をして両の眼を閉じている少年の表情は、しばらく会っていないイーズに似ていた。顔の造形が似ているというよりも、身にまとう雰囲気というか表情の浮かべ方が似ていると言った方がいいだろうか。動いている時はそれほど感じなかったが、動かなくなった今、驚くほど表情が重なって感じる。
 無駄だと知りつつ手を伸ばし、心臓を左胸に押し当てた。だが心臓がその胸の中に入り込む訳などなく、もちろん少年がもう一度瞼を上げることも息を吹き返すこともない。もう動かないのだ。ティキが殺したのだから。
「ティキぽん、お仕事終わったようですね」
「――千年公」
 少年に触れたままティキはゆっくりと声の方を振り返った。そこにはいつも通りに笑みを浮かべたままの千年公が、いつもと同じように傘を広げて立っている。にっと笑った口元は、それ以外の形を作っているのを見たことがない。
 いつも向けられる笑顔。それは人が言う楽しいから笑っている、という種類のものではない。奥にあるものを隠しているような、それでいて隠しておかなければならないものを曝け出しているような、そんな不可思議な笑みだ。不気味さと恐怖心を人に抱かせるものかもしれない。だがティキは、いや、おそらくノアと千年公に呼ばれている者たちは、そうした恐怖を感じることはない。どれだけ不気味でも自分に害が及ぶことはないと、何故だか確信しているのだ。
「千年公がついて来るんだったら、オレでなくてもいいんじゃないっすか?」
「不満ですか?」
「自分で言うのもなんですけど、オレ、働くの嫌いなんですよね」
「おやおや。大人のティキぽんがそんなことでは、他の子供たちに示しがつきませんねぇ」
 けれど、ともティキは思う。害が及ぶことはないが、きっとそれは自分たちのことを思ってのものではない。多大な力と特別な保護とをもってして、柔らかな檻を構築しているだけなのだ。一度足を踏み入れたら足下から飲み込まれるような、柔らかで纏わりついてくる逃れることのできない檻を。
「心臓、戻りませんねぇ」
「そりゃー、オレが殺したんですからね」
 真横に立って楽しげに少年とティキを見下ろす。
 簡単に抜き取ることができても戻すことなどできるはずがない。ティキの力はただ拒絶するだけの力だ。全てを自分から遠ざけ、他者から全てを奪う。そんなことは百も承知だ。わかっていて、快楽のためだけに人を殺すのだ。
 もしこの心臓をもとに戻すことができたなら、何かが変わるだろうか。
「生き返らせたいですか?」
「――へ?」
「もう、人間を殺すのはやめますか?」
 快楽のために殺したのだから、悪い気分を抱くくらいな殺すことなどやめてしまってもいいのかもしれない。好きなことだけやって、気が向いた時に気が向いたことだけをやって、そうやって生きていけばいいのかもしれない。実際、そうやって流れの者の日雇い労働者として生きてきて、別段不自由も不幸も感じなかったのだ。何も生み出さず何も奪わず、世界に何の影響も与えることなく生きて朽ち果てていく、それで十分だったはずなのだ。
「やめるって言ったらどうします?」
「さぁ、どうしましょうかねぇ。他のお仕事を探してこないといけませんねぇ」
 可能か不可能か、なら可能なのかもしれない。だが今更逃げられはしない。あの穏やかで何もない日々が良かったのなら、そのままあの場所で朽ち果てれば良かったのだ。その選択肢があったはずなのだ。それなのに、戻れない道を選んでしまった。遺伝子が奏でる快楽の鐘の音に、耳を傾けてしまった。
 もう戻れはしない。抜き取った心臓を元に戻せないのと同じで、戻れはしない。選んだのは自分。光溢れるつまらないほど穏やかな世界が心地よく手招きしても、快楽に手を染めた身で光の元に戻ることなど不可能なのだろう。
「どうします、ティキぽん」
「もう少し労働条件を緩和してくれませんかね。オレばっかり働かされてる気がするんで」
 本当は戻れるのかもしれない。手遅れではないのかもしれない。だが探し出すにはその道は細過ぎて、見つけだすことなどできはしない。
「……そうですねぇ。考えておきましょうか」
 一際笑みを深くして千年公が愉快そうにそう答えた。
 誰かが囁く。頭の奥で、胸の底で、遺伝子の隙間で。一度快楽を手にしたのならば、最後の瞬間まで手を取り共に踊り狂うしかないのだと。最初に選んだその時に、全ての運命は定まったのだと。
 あまりにも深い闇の気配に軽い眩暈を覚えながら、瞼を下ろし小さく首を振ってその気配を追い払うと、真っ直ぐと目を合わせないようにしながら千年公の後ろに付き従った。

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