運命の果てまで

テイルズ(V/G/A/S-R/D)・FF・Dグレなど、ゲームやマンガに好き勝手萌える腐ログ

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ひかり、ひかる-セシカイ-

まだFF4クリアしてません。
あれだけマップに注意してたのに全マップ制覇できていないらしく、トレジャーハントがゲットできなくてショックです。なのでもう一度心当たりを回ってます。ついでに持ち越しアイテムのしっぽ集めにも奔走。でもそろそろクリアしないと、世界樹の迷宮2もSO1もTODディレクターズカット積んでるし、まもなくSO2発売なのに!
というわけで、ゲームするために仕事辞めたい病が発動中です(笑)。
ちなみに今回のSSはセシカイ好きのSさんに捧ぐ。好みじゃなかったらごめんなさい―。



 いつも見慣れていたはずの背中だったはずだ。
 最初は自分の世界に割り込んできた気にくわない思いだけを抱えて見ていた。王から受ける特別な眼差しも、何かと世話を焼くローザの行動も、何もかもが気にくわなかった。カインが手にしていないものを差し出されながらそれに手を伸ばすことなく、背を向けて理不尽や痛みを諾々と受け入れる姿が腹立たしかった。望みがあるのなら手を伸ばすべきなのだ。それなのに周りにある光を見ずに暗黒の力を受け入れるその姿が、事あるごとに苛立ちをさそった。
「――カイン、僕は」
 立ち止まった背中は躊躇いを含みながら振り返った。
 夜の月明かりを受けて淡い金の髪がプラチナのような輝きを反射させ、優しい空を思わせる瞳がその光を受けて漣のような揺らぎを見せる。昔のように言葉に含ませる戸惑いと躊躇い。昔とは違い光そのもののように輝く姿。
 あぁ、彼は確かにパラディンとしての力を手にしたのだと実感させられる。例え今、暗黒の鎧に身を包んだとしても、以前のようにそのまま闇に沈んでしまうかのような危うさを感じることはないだろう。月の光も届かない深い闇の底でも、自ら光を生み出すことができるだろう。
 セシルはどこか変わった。光に包まれた姿もそうだが、彼自身は何も変わっていないはずなのに、受ける雰囲気が変わったように思う。以前のようなどこか壊れそうな頼りなさが消えて、穏やかながら強い意思を感じ取ることができるのだ。暗黒の気配で覆い隠されていた脆さが、淡い光の中に存在する確固たる力へと変わっている。
「カインがいたから前に進むことができた。そう、思う」
「……そんなはずはない。お前はお前の力で変わって、そしてここまで来た。俺は何も――俺には何もできなかったさ」
 存在していたのは小さな矜持と、矜持で隠そうとした嫉妬だけだ。竜騎士としての誇りと、けれどその誇りを持ってしてなお、拭い去ることが出来ない醜い感情。消し去ることができず、だからと言って認めてしまうこともできず、日を追うごとに自分の中で大きくなり制御できなくなっていく感情。
 それは嫉妬なのか。あるいは恐れなのか。
 わかるのはその感情が、セシルの背を見るたびに大きくなるということ。
 彼の側にいればいるほど大きくなり、彼の側を離れていればいるほど暴れるということ。
「違うよ。僕は弱い」
「そんなことはない」
「弱い、よ。誰かの助けを受けなければ前に進めない」
「…………」
「カインがいつも助けてくれたから、僕は逃げずに済んだ」
 そうやって自分の弱さを認め、誰かの助けを受け入れられることは強さだ。
 眩し過ぎるほどの、正しい強さだ。
 苦しくなるほど正道を貫いた、姿だ。
「僕はカインの為に強くなりたい」
「自分の身ぐらい自分で守れる」
「そうじゃないよ」
 白い手が伸びてきた。盾を構え剣を振るうはずの手は、けれど象牙細工のように白くて整っている。長く細い指先は武器を構えるよりも楽器をつま弾いたり本を手にしたりしている方が似合いそうだ。
 指先は顔を覆う兜のラインに沿うように動く。まるで壊れ物を扱うかのような繊細な動きだ。自分はそんな風に扱われなければならないほど弱い訳ではない、そう振り払おうとしたが、声帯も自分の腕も思い通りには動いてくれなかった。
「カインが、大切なだけだよ」
 冷たい兜越しに、感じるはずのない指先の熱が伝わってくる気がした。
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MH3がPS3じゃなくてWiiで発売と聞いて、一気にやる気がなくなりました。個人的に任○堂はあんまり好きじゃないんだよなぁ。
wii持ってるけど、はっきり言ってゲーム機として期待してないんですよ。FEのために買いましたが、ここ二ヶ月は一度も起動してないし。DSもRPGはプレイしますがボリューム不足の作品が多くて、やっぱり物足りない。ライトユーザーには良いんだろうなと思うけど、がっつりゲームをするとなると足りない。そして器機好きの心がくすぐられない。

その点ソニー関連は、商業的に失敗してても(笑)好きなんですよ。PSPはちょっと盛り返してますが、PS3もね、性能と値段を考えたらそれほど高くない。まぁ誰も求めていない高性能だけど。個人的にはその無駄な拘りが好き。出来ればPS3には頑張ってもらいたい。
私はFF13が出るならそのタイミングで買います。これは決定事項。そしてwiiで出るRPG関連は全スルーする予定。あのリモコンの微調整の効かなさは、やり込みする身としてはイライラする以外の何ものでもない。

と愚痴を言いつつ、CCFF7のやり込みは来週発売のアルティマニアまでお預けしている中で超ミニSSを。アンザク。私はザックスを可愛いと思えば良いのか格好良いと思えば良いのか分からなくなってる気がする。



ロックグラスの氷を鳴らしながら琥珀色のブランデーに口をつける。原産地が故郷の近くだということで選んだが、なかなかに悪くない選択だったようだ。値段の割には口当たりが良い。この店は料理の味付けも薄味ながら深みがあり、アンジールのお気に入りだった。それに外れた場所にあるから神羅の関係者に出会うことも少ない。
「――ザックス」
グラスをすぐ脇に置いても黒髪はピクリとも動かなかった。先ほどまで任務がどう、トレーニングが堂と、大げさな身振り手振りで話していたのに今はもう夢の中だ。昼間の疲れが出た、というよりも腹が満たされて眠ったといった体だ。ブランデーを一口飲んだのも原因かもしれない。
起きていれば子犬のように片時もじっとせず動き回り、満足すれば何処でも眠ってしまう。そそっかしく罠に引っ掛かりやすいし、大事な時にはどこか抜けた失敗をする。調子に乗りやすく目立ちたがり屋で、ツメが甘くて危なくなる。
セカンドの中ではセンスは飛び抜けているが、忘れ物と勘違いの多さもトップクラスだ。呆れるしかない。だがそれでも、自分の背中を任せても良いかと思うのは、彼の憎めない人柄によるものかもしれない。
「……も、腹…っぱい……」
「まぁ、まだまだだがな」
ザックスの幸せそうな寝顔を見ながら、アンジールはどうやって連れて帰ろうかと苦笑いを浮かべた。

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届かない背中 -CCFF7-

アンジールとザックス…アンザク? <腐りきってるな
序盤ネタバレ含んでますがCMで既出なのでかまわないかなぁとUP。
まぁCPとか特に考えてないですが、取り敢えずCCFF7のSSが書きたかったんです。
ザックス、最高に可愛いよなぁ。



本当に、綺麗だと思ったんだ。
光を背中に従えているようで、眩しいぐらいに綺麗だと思ったんだ。
その顔が悲しみをたたえて微笑んでいたとしても、それすら綺麗だと思ってしまうほどに、目にした瞬間から時間が止まるのを感じたんだ。

突然背後に現れた飲み込まれそうなほどの強い気配に、振り向くと同時に背中の剣を抜き放っていた。訳のわからないこが周りで起きていることに苛立ちがつのっていたの相まって、剣の動きはザックスが考えているよりも乱暴で挑戦的なものになってしまった。
が、十分な敵意を込めて薙ぎ払ったはずの剣先を、視界に黒い髪が映ったのを認めた瞬間にザックスは慌てて押し止めた。無防備に晒されたままの首筋まであと数センチのところで止められた鈍い光を放つ刃。荒い深呼吸を三度繰り返して、相手の顔をたっぷりと十数秒睨むように見てから、ようやく縫い付けられたように動かない唇を開いた。
「アン…ジール」
目の前に突然現れた姿にザックスは目を見張る。
バノーラ村で別れてからまだ3日しかたっていないが、随分と前のことのように思える。それ以前はほとんど毎日顔をあわせて訓練にも付き合ってもらっていたのだから、この空白の時間は随分と味気のないものだった。子供扱いされることには少々反発もするが、ザックスの名前を呼ぶ低い声が聞こえないというのは、それだけで世界を無味乾燥なものに変えてしまうかのようだったのだ。
アンジールの落ち着いた瞳が少し細められ、片手を顎の下にして何かを思案するような表情をしたかと思うと、いつも通りの言い聞かすような声が紡がれた。
「一撃目を繰り出す時少し軸がぶれるな。あれほど直しておけといったのに、お前はまったく成長していないな」
「……誰かさんたちの後始末で、訓練している暇がないんだよ」
誰のせいだよ。そんな思いを滲ませながら言うと、くるりと片手で回しながら剣をしまう。
「まったく、誰のせいだよ」
「良かったじゃないか、ザックス。訓練ばかりだと飽きるのだろう?」
「アンジール!」
「無事なようで良かった」
「何が……良かっただよ」
「お前は大事な所で抜けていることが多いからな。ツメが甘いというか。これでも心配しているのだぞ?」
「一番心配かけてるヤツが言う台詞かよ」
吐き捨てるようにそう言うと、怒っているのだということを表情に張り付かせたままぷいと横を向いた。だが頬に視線は感じるものの慌てた様子はなく、ザックスの態度に対して微かに笑う気配が伝わってきた。
バサリ、と羽ばたく音が間に混じる。視界の隅を白い羽根が掠める。
アンジールの背に片方だけ存在している真っ白な翼。モンスターの証だというが、ザックスにはそうは思えなかった。光のように真っ白でまるで本物の天使のようだ。片方しかない翼で器用に上昇する姿は、いつか絵本で見たことのある両の翼を有している天使よりもどこか神秘的なもののように思えた。
禍々しい存在だとはどうしても思えなかった。
「俺のことよりアンタの方はどうなんだよ」
「…………」
「戻って……くれないのか?」
「ザックス――」
「あぁ! やっぱ言わなくていい! どうせアンタのことだから俺が何を言ったって変えるわけねーもんな」
普段は他人の意見を聞き調整役をすることが多いが、こうと決めた時のアンジールはテコでも意見を変えない。神羅を出て行くと決めたのも、戻ってこないのも、アンジールの意思からの事ならば何を言っても無駄だ。絶対に曲げることはない。
「アンタがどこにいてもいいけどさ」
「…………」
「せめて……無事でいてくれよな」
「私としてはお前の方が心配なのだからな」
「! まぜっかえすなよ!」
笑いを含んだ声に振り返れば、けれど予想と反して真剣な眼差しとぶつかった。
普段いつも瞳に浮かべている微笑はそこにはなく、真っ直ぐとザックスを見つめている蒼さをたたえた真珠のような瞳だった。
「心配するな。私は――大丈夫だ」
「誰がっ! アンタの、心配なんか……」
「そうだな」
もう一度笑い声が聞こえた。と、同時に大きく羽ばたく音も。
「アンジール!」
反射的に手を伸ばしたが、白い翼はザックスの指先にすら触れることなく上昇していった。雪のように舞い散る白い羽根だけが指先を微かに撫でていく。
「――ザックス」
「おい! 何で…何で一緒じゃダメなんだよ、アンジール!」
「どんな時でも、誇りを手放すなよ」
「おい!」
「お前の、誇りをな」
そう言うと急速に上昇し、現れた時と同じように一瞬で視界から消えてしまった。後には白い羽根だけが舞い落ちてきて、先ほどまで見ていた光景が幻ではないということを告げてくれる。
ザックスは舞い散る羽根を一つ掴んだ。真っ白い翼から零れた真っ白な羽根。ザックスの前から飛び去ってしまったアンジールの翼。
「何だよ。いつも、言いたいことだけ言って……」
地上にいる時ですらその背中に負いつけなかったのに、白い翼で空を飛ばれたらまったく手が届かなくなってしまう。いつも遠くに感じていた届かない背中がさらに遠くなって、太陽の光に邪魔されて見つけることすら出来なくなってしまいそうだ。その背に並んで進むことを願って、ザックスはここにいるというのに。
――俺にも、その翼を、くれよ
そうすれば今より少しぐらいは、近づけるかもしれないのに。

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CCFF7クリア!

目の前にホワイトPSPとNEWシルバーPSPが並んでいます。
……え? 何? 私、またやっちゃった?

という訳で、同梱版はゲットできませんでしたが普通に新型PSPをゲットしてしまいました。DSも二台あるのにどうするのよ、私。と思いつつ、おNEWものに弱いんだよなぁ。実感できるぐらい軽くなって薄くなってます。TVチューナーは買いませんでしたが、TV出力D端子を買って大画面でPSPを楽しんでます。まぁ小さな絵を引き伸ばしてるので画面が粗いんですけどね。
UMD入れる部分が飛び出し式じゃなくて自分で開けるようになってたり、全体のコーティングが薄くなってるような気がしたり、細かな部分ではちゃちくなってるかもしれませんが、概ね満足できる出来です。
さーて、この2台のPSP、どうしてくれよう。
取り敢えずゲームシェアで太鼓の達人でも誰かとするかなぁ。

さて、CCFF7クリアしました。
PSP持ってるならやって損はないかと。そしてFF7をプレイ済みならやっておけ!ってな感じです。本編は長くないですが、サブのミッションは半端ではない量があります。またFF7がプレイしたくなりました。途中で止めているインタ版をまたプレイしたいところ。
で、以下は個人的感想&ネタバレ。OKな方だけ続きよりどうぞ。

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見えない盾 -FF6-

「こんなに小さかったのになぁ」
子供の背丈ぐらいの高さで手をかざして笑いながらそう言うエドガーに、マッシュは隠すつもりのない不機嫌さを前面に押し出して向かい合った。だがエドガーにはマッシュの怒りを受けても全く動じずに笑いを崩さない。
昔からエドガーはマッシュほど感情を表面に出すタイプではなかった。確かに人当たりがよくいつでも笑顔を絶やさない印象があるが、掛け値なしに出た笑顔というのはマッシュも数えるほどしか見ていないように思う。特に、父王の容態が悪化して以降は。
エドガーの笑顔はある種の鎧だ。敵対するものから自分を守り、そして自分を心配する相手に負担をかけないようにと身についたクセ。そう思うと沸々と湧いていた感情は、じっとりとした塊となって心の淵にこびり付く。苦しい。
それなのに当の本人は「けど素直なところは昔から変わらないな」と、楽しそうに続ける。
「いつまでも子供じゃない」
「あぁ、わかってるさ。こんな熊みたいな子供は私としても勘弁願いたいしね」
「俺だって守れる。今なら、俺が兄貴の盾になれる」
「……マッシュ?」
「昔は俺の方が身体も小さくて弱かったけど、今は俺の方が大きいし強い。だから兄貴を守るぐらい、俺にだって出来る。それなのに――今だってそうだ」
久しぶり、で済ますには長過ぎるほど時間の開いた再会。十年という月日は人を変えるには十分の時間だ。
今ならばどう見てもエドガーよりマッシュの方が体格が良いし体力も力もある。立場で言ってもエドガーは一国の王なのだから、わざわざ危険を冒す必要などない。前線などマッシュに任せていても何も問題はないのだ。そのために支援用の機械も持ち歩いているというのに。
何故マッシュを庇う必要があるのか。
流れるハニーブロンドの髪の向こうに魔物の牙を見た時、いったいどれだけの衝撃を受けたかわかっていないのだ。あの光景を見るぐらいならば、魔物の爪や牙が自分の身を引き裂く方がどれだけましか。
「……つい、ね」
「つい、じゃない」
「すまない。だが考える前に、ね。大した怪我はしていないよ」
「…………」
手を差し出すとエドガーは苦笑しながら掴み、立ち上がった。
鋭い牙は持っていた盾で受け流していたのでそれほど大きな怪我を負っていないのはわかっている。だが目の前で崩れる身体を、誰が見たいと思うだろうか。何の為に自分が付いてきているというのか。
「俺は、そんなに信用できないか?」
「マッシュ――」
違う、というのはわかっている。
わかっているが言葉は子供っぽく口をついて出た。
目の前でオアシスのように青い瞳が少し見開かれ、そして細められる。
「おまえを信用できなくて、私は何を信用すればいいのだ」
「兄貴……」
「私はフィガロの国民を守る義務がある。だから私は何があっても守り抜く。だがマッシュ、おまえのことは守りたい、と思う」
「兄貴……」
「――などというのは、些か感傷に過ぎるな」
苦笑を浮かべたが、もう次の瞬間にはいつもの「エドガー」の表情をしていた。マッシュが言葉を続けようとしたのを手で制すると、弾き飛ばされていた剣を拾った。手首を捻り大げさに一回転させるパフォーマンスを見せながら流れるように優雅に鞘に戻すと、皆の元へと歩き出した。
「……マッシュ、おまえは盾でも剣でもない。おまえであってくれればいい。私はそれだけで――守られているのだよ」
表情はわからない。声の揺れもあるかないか程度。だが向けられた背から表情を想像して、マッシュは「わかったよ」と答えて笑った。


続いてFF6で双子とか書いてみる。エドガーは国王であることを最優先に行動しているはずだけど、マッシュが絡むと重要度があっさり変わったりしたらいいなぁとか。
で、こんなエドを書くから私のエドはあんまり王様っぽくなくて気品が少ないんだろうなぁと思う。けど変えられない。某様のように気品ある王様エドが書けたらなぁ。

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a lance -FF6-

身の丈もある槍を片手で器用に構えると、僅かに腰を落とした。
地面すれすれに据えられた槍先は全くぶれることがない。槍は剣とは違い切り裂くことを目的とした武器ではない。勿論刃先で突き刺し致命傷を与えることも十分可能だが、どちらかと言えば鈍器のような役割を担うことが多い。その長さと重さに十分な勢いを乗せれば、硬い甲羅に覆われた魔物とてひとたまりもない。
だがその分、扱うには相当の修練が必要だ。技術的にも体力的にも、相当に鍛え上げられていなければ、武器はただの邪魔な物体に成り下がる。
右足を踏む込むと同時に振り上げられた切っ先は、寸前で身体を逸らした巨大な魔物の眼前を掠めていく。だが状態を僅かに逸らした魔物の体勢が僅かばかりも整う前に、槍は孤を描くように彼の身体を支点にして周り、次の一歩と共に足元に突き刺される。だが、
――浅い。
切っ先は正確に足元を捉えたが完全に動きを封じるには弱かった。槍での突きは剣よりも簡単に大きなダメージを与えられるが、その一手で決まらなければ他の武器よりも隙が大きい。
慌てて短剣を構えフォローに割って入ろうとしたが、澄んだブルーの瞳がその動きを制止した。砂漠の海とも称えられる瞳。だがその揺らぎのなさは深い海に例えるよりも磨き抜かれたサファイアのようだと感じられた。尊大なくせに優雅で惹き付けられる、深い深い青。その瞳が、彼の立場と年齢に相応しくないほど楽しそうに笑っている。
手負いをものともせずに向けられてきた牙を、余裕の表情を変えないまま今度は魔物の身体を支点にするようにして跳ね上げて弾く。予想外の行動に一瞬怯んだ隙を逃すこともなく反動の付いた槍を、後ろに回りこみながら引き抜くとその勢いのまま喉元へと叩き込んだ。
断末魔は短く一瞬。小さな呻き声だけ。
流れるような動きだ。恐らく決定的なダメージを与えられないことがわかっていて、引き抜きやすいように突きにはそれほど力を込めていなかったのだろう。急所への攻撃を受けて声一つ上げずに魔物が崩れていくのを見送るように、長い金の髪が彼の動きを追うように円を描き、そしてはらりと背中に落ちた。
だが無事で良かった、という思いよりも溜息が先に出るのは付き合いの長さか信頼の証か。
「……王様やってるより向いてるかもな」
「意外に王様は肉体労働なのだよ。休日も時間も関係なく追い回されるからね」
「追い回してるのはお前の方だろう。主に女性を」
「酷いな。回転のこぎりより重いものは持ったことがないひ弱な私に対してず随分な言い方だな、ロック」
「普通はそんなに重いもの持たないさ」
「そうか? ふむ。軽量化を試みているがこれがなかなか難しくてな」
「どうせお前しか使わないんだ。軽かろうが重かろうが俺には興味ない」
素っ気無く答えれば、酷いな、ともう一度、少しも堪えていない表情でエドガーは喉を鳴らして笑った。その様が何処となく上品さがあって、一瞬でも心配した自分が馬鹿馬鹿しくなる。
渋面を向けるとエドガーは笑いを収めた。
「――すまない」
「謝るぐらいなら笑うな」
「違うよ。心配してくれたのだろう」
「…………」
あぁ、こいつのこういうところが嫌いだ。
王様なのだから、下々の気持ちにまで気がまわらなくたって構いはしないのに。替わりのきかない身なのだから、前衛など誰かに任して得意の機械だけ使っていれば良いのに。
だが、そう言ったところで、
「君が槍を使えるようになったら考えるよ」
普段は低く威厳がある声のくせに、こんな時だけ心臓に悪いほどの甘い声で、そう囁くのだ。性質が悪いこと、この上ない。


血迷ってFF6でエドロクとか(いえ、×ではなく+です)。この二人には悪友であって欲しいとか思います。ちなみに本命は双子かエドリル。FF6は本当に好き。SFC、PS、GBAの3つ持ってるほどで、今でもプレイします。
でも実は槍での立ち回りが書きたかっただけだったり…。

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私に、触れて -ルーネス×イングズ-

「お前はいったい――!」
「何のつもりだ、なんて言うなよ」
「ルーネス!」
「俺はさ、何度でも言った筈だろう?」
「…………」

言葉を詰まらせたイングズに、にっこりと笑いかける。ルーネスは優しく微笑んだつもりだったが、この場面とこのタイミングで満面の笑顔を見せられた方は、そうは受け取れなかっただろう。現にイングズは気圧されたように言葉を詰まらせ、瞳を彷徨わせた後、自分から視線を外した。
ずっと瞳を覗いていたら、自身の中にある何かを根こそぎ奪い取られてしまう。そんな恐怖を抱いてしまったのだ。力がすっと零れ落ちて抵抗する気力が抜き取られていく。

「――ねぇ、それって了解したってこと?」
「ば、馬鹿なことをいうな! 早くそこからどけ!」
「…せっかく隙を突いて押さえ込んだんだから、どけと言われてはいそうですかって言う訳にはいかないと思わない? 俺にとっては好都合で、今はアルクゥもレフィアもいなしことだしね」
「だからって――」
「無理矢理するのか、って?」

イングズの抗議の言葉を先に言い、くくっと楽しそうに喉の奥を鳴らす。
表情は至って無邪気で瞳は好奇心を宿した子供のようだ。さらっと呟かれる言葉は明るい響きで、イングズの身体を押し倒してながら発しているものだとは思えない。

すっとルーネスの手がイングズの頬に触れる。
手袋越しの手は、けれど妙に冷たく感じられてイングズは背筋に沿ってゾクリと何かが駆け上がるのを感じた。身体の芯が震えさせられる感触。そのくせ熱い。

「だってさ、イングズってば、融通利かないし」
「……何の話だ」
「本当は色々わかってるくせに、そんなはずないって、自分の感情を打ち消しちゃうだろう。世間の常識とか自分の使命とかばっかり気にして、自分のことを見ないようにしてる」
「俺はそんなこと――」
「本当に? 本当に自分の気持ちわかってる?」

頬から顎へ、顎から首筋へ、首筋から胸元へ。すーっと指を動かし楽しげに笑う。
思わず身体を強張らせたイングズに、ルーネスはもう一度「本当に、イングズは、わかってる、の?」と文節毎に区切りながら確認するように言った。アッシュグレーの瞳は磨り硝子に覆われた光のように淡い光を放ちながらも、周りの闇を吸収しているかのように深い。

「ふーん、そっか」
「…………」
「じゃぁ、気づいているんだ」

さらりと髪が頬に触れる。くすぐったいと思った次の瞬間には、熱い吐息が唇に触れ、それを理解する前に唇を塞がれる。柔らかい舌が滑るように歯を割って侵入してきて、口内を弄るように動く。
舌が舌に触れる。熱く絡みつき、ぴちゃりと音を立てながら吸い上げられる。頭の奥を針で差されたような刺激が身体の中心を貫く。
精神も身体も全て奪われそうになる浮遊感。意識と感覚が身体から乖離しそうになり拳を握り締める。身体の熱が上がるのが嫌でもわかる。

「――どう?」

荒々しく塞いでいた唇はあっけなく離され、荒い息を吐き出したイングズを涼しい顔でルーネスは問い掛ける。
応えるよりも早くルーネスは手を離して拘束を解き立ち上がった。いつもなら強引過ぎるほど迫ってくるのに、あまりにもあっさりと退いたことにイングズは戸惑いを覚えた。それを望んでいたにもかかわらず。

「ルー…ネス……」
「俺、意外と過程を楽しむタイプなんだ」
「…………」
「自分の気持ち、わかった?」
「俺の気持ちなど……」

――離れないで欲しい。

頭に浮かんだ言葉は自分のものではないはずだと言い聞かす。それすらもルーネスには気づかれているのだろうと思いながらも、見ないふりをする以外に自分を保てそうになかったから。


久しぶりにルーインで!
書く度に鬼畜っぽく…というか変態になってますか?うちのルーネス。

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